日本発肺がん治療薬「オプジーボ」/免疫薬で、がん治療にパラダイムシフト
治療を個々に合わせていく時代
最先端の画期的ながん治療薬が次々に誕生しています。医療イノベーションのかけ声のもとに生まれた、日本発の肺がん治療薬「オプジーボ」。
従来の抗がん剤とは全く別の作用機序の薬です。膨大な患者の遺伝情報を解析して最適な治療法を探す、プレシジョン・メディシン分野でも、各研究施設がしのぎを削っています。治療を個々人に合わせていく時代が始まります。
従来の抗がん剤とは全く別の作用機序の薬です。膨大な患者の遺伝情報を解析して最適な治療法を探す、プレシジョン・メディシン分野でも、各研究施設がしのぎを削っています。治療を個々人に合わせていく時代が始まります。
がん治療に起きたパラダイムシフト
オプジーボについて、日本がん免疫学会理事長の河上裕慶応義塾大学教授は、「がん治療にパラダイムシフトが起きた」と言い切ります。
従来の抗がん剤は、がん細胞と一緒に、周辺の細胞組織を傷つけました。副作用も強い。その次に、分子標的薬という、がんの特殊な遺伝子に反応し、狙い撃ちする薬ができました。今、話題の「オプジーボ」は、小野薬品工業(小野薬品工業(株):大阪府大阪市 相良暁社長)などがつくる、その次の世代のがん免疫薬です。
従来の抗がん剤は、がん細胞と一緒に、周辺の細胞組織を傷つけました。副作用も強い。その次に、分子標的薬という、がんの特殊な遺伝子に反応し、狙い撃ちする薬ができました。今、話題の「オプジーボ」は、小野薬品工業(小野薬品工業(株):大阪府大阪市 相良暁社長)などがつくる、その次の世代のがん免疫薬です。
病をもって病を制する免疫約
がん免疫薬は、体内で異物を排除する免疫の働きを使い、がん細胞を攻撃します。
がん細胞には、その攻撃をさせないように、免疫をおとなしくさせる仕組みが備わっていますが、その仕組みを外し、がん細胞をたたくのです。極端な言い方をすれば、免疫が過剰に働く自己免疫疾患を体内でつくり、その力でがんをやっつける。病をもって病を制するわけです。同様の効果があり、オプジーボとほぼ同額の「キイトルーダ」も、このほど承認されました。
がん細胞には、その攻撃をさせないように、免疫をおとなしくさせる仕組みが備わっていますが、その仕組みを外し、がん細胞をたたくのです。極端な言い方をすれば、免疫が過剰に働く自己免疫疾患を体内でつくり、その力でがんをやっつける。病をもって病を制するわけです。同様の効果があり、オプジーボとほぼ同額の「キイトルーダ」も、このほど承認されました。
遺伝子情報でリスクを探す分野も急伸
ほかに、遺伝子情報を駆使し、DNAや*RNAからがんのリスクを探す分野も、急速に伸びています。DNAからは、家族性のがんなど遺伝性の疾患がわかり、生活状況によって変化するRNAの傷からは、がん発生につながるリスクが予測できるとされます。
いずれも患者にはありがたい分野ですが、医療費もかさむため、保険がどこまでを対象にするか。今後の展開に注目です。
いずれも患者にはありがたい分野ですが、医療費もかさむため、保険がどこまでを対象にするか。今後の展開に注目です。
*RNA:リボ核酸。DNAと共に遺伝物質で、核酸のひとつ。DNAの情報に基づいてアミノ酸からたんぱく質を合成する。
●関連記事:「京都大学iPS細胞研究所が、リボ核酸(RNA)を用いてがん細胞を死滅させる実験に成功! 医療用iPS細胞の提供もスタートし、再生医療分野のバランスよい動きに注目」[2015.8.27配信]
[2017.2.23]
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