ジャカルタ都市高速鉄道、日本の2連合企業が受注!インドネシアの空港や湾岸、発電所輸出の弾みに
車両は「住友商事、日本車輌製造」。電気システムは「三井物産連合」
インドネシア初となる地下鉄区間を含むジャカルタのMRT(Mass Rapid Transit:都市高速鉄道)整備プロジェクトの入札で、日本の2つの企業連合が受注することが2月26日わかりました。車両は、住友商事と日本車輌製造の企業連合。信号や通信などの電気システムは三井物産連合が受注しています。
受注額は合計約430億円とみられ、3月にも州営のMRTジャカルタと正式契約を結びます。MRTは高架と地下鉄で構成され開業は平成30年の予定。慢性的な交通渋滞に悩む市民の新たな足となります。
「南北線」に続き、第2期工事も受注へ
2つの企業連合が受注したのは、ジャカルタ中心部のブンダラン・ハイと住宅が集積する南部郊外のルバックブルス間の15.7km。両区間を約30分で結ぶ「MRT南北線」で、今後は、路線を北部まで延ばす8.1kmの第2期工事や西ジャワ洲やパンテン州に延伸する東西線も計画されており、日本連合企業各社は、さらなる延伸分や増産の受注を目指します。
MRTジャカルタが受注した車両は16両編成の96両で、日本で実際に運用する安全性に優れ,軽量で省エネ効率の高い車両導入。安定した運転やメンテナンスの省力化も期待されています。
これまで、日本で働いた車両がインドネシアで第2の人生を
日本連合企業のなか、住友商事と日本車輌は昭和60年代頃よりインドネシアに車両輸出の実績を持ちます。意外と知られていませんが日本とインドネシアの鉄道路線の規格は同一。日本で20〜25年働いた車両がインドネシアに輸出されすぐに稼働できるメリットがありました。
インドネシアのメディアJPNNによると、昨年1年間に日本からインドネシアへ輸出された中古の鉄道車両は176両に達し、平成20年からの累計でも導入実績は664両に上ります。
鉄道ほか空港や湾岸,発電所計画も
日本・インドネシア政府はジャカルタ首都圏の中心に鉄道のほか、空港や湾岸,発電所など約45案件のインフラ整備計画「首都圏投資促進特別地域構想」を計画しており,なかでも今回のMRTは最優先されている中核プロジェクトです。
日本連合企業によるMRT受注で、日本の新型車両がインドネシアに輸出されるのは約20年ぶり。安倍政権が推し進める鉄道インフラの輸出に弾みがつきそうです。
●関連記事:「日立製作所、中国に競り勝ちイタリア鉄道2社を買収!安倍首相トップセールス、官民連携効果は絶大」[2015.3.10配信]
[2015.3.14]
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