ノーベル受賞理由は「人類に最大の利益をもたらす発明」、高効率照明「青色LED」
ノーベル物理学賞:3人の日本人物理学者に授与
スウェーデン王立科学アカデミーは10月7日、今年度のノーベル物理学賞を青色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を発明した3人の日本人物理学者に授与しました。LEDは今や家庭の照明でも馴染みもあり取り立てて珍しくもありあせんが、ノーベル賞授与にあたる審査の基盤となる「人類に最大の利益をもたらす発明」が認められたからです。
青色LEDを用いて新たな方法で白光をつくり出すことに成功。街灯や電車,家庭など、より長命で効率的な代替え光源を手に入れたことになります。
青色発光ダイオード「20世紀中には不可能」
光の3原色である赤と緑、青が揃うと白色を含めすべての色を発光することが可能になります。しかし、青色に光る発光ダイオードだけは長く困難を極め,「20世紀中には不可能」とまで言われていました。
これまで何年も青色ダイオードを巡りノーベル賞を期待する声はあったものの、毎年受賞を逃していました。今年,受賞できたのは、既存の照明を凌駕する省エネルギーのLED照明が実現可能になったからです。
LED照明の発光効率は年々増加
LED照明の発光効率が100lm/Wを超えるようにになったのは昨年頃から。今年前半には140〜190lm/Wに達するようになり「21世紀の照明」と言えるようになってきました。
青色の発光ダイオードは、信号機や家庭の照明など私たちの生活を劇的に変え、人々が意識しないままに省エネを進め地球環境を守る時代の要請に応えた画期的な発明となりました。
平成32年までにLED100%
LEDは、平成23年の東日本大震災による福島第一原発事故で電力ニーズが逼迫した際より普及が加速し,政府は平成32年までにLEDを中心とした高効率照明の普及率を100%とする目標を掲げました。
受賞者の1人,米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村教授は、LED研究開発にあたり「自分の活動の源は怒り」、「今に見ていろ」との強烈な反骨精神をメディアに訴えました。賛否両論あるものの、人類に最大の利益をもたらしたことには違いありません。
●関連記事:「事業仕分け:技術立国へ研究30年は無駄な投資か?ノーベル賞2人!」[2010.10.8配信]
[2014.10.18]
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