成長戦略の規制改革に医薬品ネット販売は全面解禁!楽天・三木谷社長「一部規制なら(政府)民間議員を辞任!」
全面解禁したものの5品目は除外?
安倍政権は、一般用医薬品(大衆薬)のネット販売について、副作用のリスクが高い劇薬に分類される5品目を認めない方針を示しました。安倍首相は今年6月、全ての薬の解禁を表明したものの、厚生労働省や族議員の抵抗により5品目は除外。ネットで購入できない薬を設け、ドラッグストアなど対面販売の優位性を残す結果となりました。
ネット販売が規制される5品目は、「ガラナボーン」「ハンピロン」「ストルビンMカプセル」「マヤ金蛇精(カプセル)」「エフゲン」となっています。
三木谷社長、6月に続き再び辞任発言
政府の方針を受け、産業競争力会議の民間議員である楽天の三木谷社長は、全面解禁が見直されるなら民間議員を辞任すると発言。三木谷社長は6月にも辞任と引き換えに全面解禁を要求した経緯もあり、安倍首相の対応が注目されます。
薬のネット販売全面解禁は、規制改革会議でも2度に渡り店頭販売とネット販売に差をつけぬよう求められ、政府内でも協議が難航。5品目を認めないことで三木谷社長は辞任を選ぶか、規制改革を成長戦略とする安倍政権が覆すかが問われます。
ネット販売訴訟の判決「薬事法は医薬品販売を対面で行うことを義務づけていない」
薬のネット販売解禁は平成21年にさかのぼり、ケンコーコムとウェルネット2社が国を相手とした訴訟から始まりました。「薬事法は医薬品販売を対面で行うことを義務づけていないことはもとより、必要性などについて明示的に触れていない」と今年1月に判決が下されました。
ケンコーコムはじめネット通販業者は医薬品のネット販売に始め、文具を扱うアスクルまでも参入したほど医薬品ニーズの高さが伺えます。一方、厚生労働省ではこれまで病気を治す反面、副作用の懸念から薬剤師による対面販売を原則義務づけてきています。
規制緩和の裏にはリスクの弊害も
ネット販売の全面解禁は、医薬品の安全性と手軽に購入したい消費者のバランスをどうとるか難しい課題。規制緩和の裏には弊害も起こるリスクも存在します。これまでもタクシー台数制限の規制緩和により過当競争から料金は安くなるものの運転手は低賃金で重労働に。高速バス事故では価格競争から過酷な運転スケジュールに大事故まで起き、逆に規制が強化されました。
政府の新たな規制の導入か、三木谷社長の民間議員辞任か、医薬品のネット販売をめぐる攻防が注視されます。
●関連記事:「市販薬のネット通販規制、最高裁が厚労省に違法判決!利便性と安全性の両立確保で実質解禁」[2013.1.16配信]
[2013.10.30]
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