JETRO、農業法人協会連携で農産物・食品の輸出倍増!流通、輸出規模の拡大で収益確保
JETRO:先駆的な農業法人1,770の海外販路開拓を支援
JETRO(日本貿易振興機構)と日本農業法人協会は8月19日、農畜産物や食品など農業法人の輸出支援を協力し取り組むため業務連携を締結。海外ビジネスにノウハウと73の海外事務所を持つJETROと、先駆的な農業経営を行う全国約1,770の農業法人を有する日本農業法人協会が連携することで輸出拡大を図ります。
政府は平成32年に日本の農畜産物や食品の輸出額を現状の1兆円から約2倍に伸ばす計画を掲げ、JETROと、全国約1,770の農業法人、両者のコラボレーションにより海外販路開拓に弾みをつけます。
農地のリースで農業参入促進、法改正前の5倍のペースで増加
平成21年の農地法改正により企業の農業参入は全面自由化となり、法改正後には農地のリース方式で1,071法人が参入。改正前の5倍のペースで新規参入が進んでいます。農地を所有権取得でなく、最長50年のリースとしたことで新規参入の後押しとなりました。
参入した農業法人の営農作物をみると、野菜が全体の46%に当たる492法人。次いで複合が同19%の199法人、米麦などが同17%の183法人と続きます。
海外食品市場の動向を共有、国内流通網の整備も協議
日本農業法人協会では、青果物や加工食品など海外輸出を目指す農業法人をJETROに取り次ぎ、JETROは海外食品市場の動向など説明するセミナーなどを開催。生産から加工、流通まで含めた6次産業化の取組みや、国内流通網の整備についても定期的に協議するとしています。
両者は、それぞれの強みを最大限に生かし、連携を強化しながら畜産物や食品など様々な国のニーズを汲み取り、輸出拡大を目指します。国内人口が減少するなか、TPP(環太平洋経済連携協定)参加、不参加にかかわらず海外ニーズの取込みは必須なのです。
数十社の農産物を集約、航空貨物に満載にしてコストダウン
JETRO、日本農業法人協会では、すでに米国のホテルなどに食肉や卵、青果物などを混載し輸出する事業が検討されています。これまで1法人では青果物などの輸出は小口で採算が取れませんが、数十社が集まることで輸出品目・量を集約。航空貨物に満載し流通規模を大きくすれば収益も確保できるとしています。
海外では食の多様化、高度化が進みより高品質な食が求められています。日本の付加価値のある農産物や加工食品が受入れられているのです。JETROと生産者のコラボレーションにより、輸出に踏み切れなかった農業法人にもチャンスが訪れのです。安全な日本の食材が輸出されることで、海外での日本食文化の広がりに拍車をかけます。
関連記事:「農業法人の雇用増加!多彩な担い手育成に向け「就農給付」拡充」[2013.5.25配信]
[2013.8.23]
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