農業法人の雇用増加!多彩な担い手育成に向け「就農給付」拡充
農大校卒業生の就農率26年ぶり4割超!
平成24年度に全国の道府県立農業大学校を卒業した学生の就農率が41%(773人)、全卒業生の4分の1を占めるまでになったことが、全国農業大学校協議会の調査で分かりました(今年4月1日現在)。4割を超えたのは昭和61年度以来26年ぶり。農業法人などを就農先にする「雇用就農」が増えたのが要因と見られています。
農業大学校は全国に42校あり、24年度の卒業生は1,907人。就農者のうち雇用就農は461人。兵庫県立農業大学校(雇用就農10人)と香川県立農業大学校(同7人)では、就農者の全てが「雇用就農」となりました。
農業法人の雇用増加/実践学習×後継者育成「将来の展望広がる道」
雇用就農が増えた理由について同協議会は「農家出身でない学生が増え、就農時に農地や機械などがなくても農業ができることが魅力になっているのだろう。栽培技術や経営センスを実践的に学べることもある」と分析。「雇用就農後に独立して地域に根付いたり家業を継いだりできる。法人への就農は、学生にも地域にも将来の展望が広がる道だ」と評価しています。
また、24年に農林水産省が新設した若者向け新規就農者支援事業「青年就農給付金」の影響も指摘されます。
応募殺到!「就農給付」が農業人口増加を後押し
高齢化や後継者不足で農業人口の減少傾向が続く一方で、ここ数年、農業に関心を持つ人も増えています。平成23年度の新規就農者数は全国で約5万8,000人にのぼり、前年に比べて約3,500人増加しました。
農業生産法人は平成23年が1万2,052と、平成12年の2倍以上になりました。採用への関心も高く、自治体の農業法人協会が就農相談会に参加しPRや個別面談を行う機会も増えています。
多くの自治体が複数の新規就農者支援事業を展開しており、そのひとつとして助成金を給付しているケースは少なくありません。就農意欲のある45歳未満の人を対象とした「青年就農給付金」には応募が殺到。「年間150万円」という手厚い支援に農業志望者が集い、一時は給付が滞るまでに。これを受け、予算の拡充も進められています。
JA長野:1億円基金創設/農家子弟や中高年支援
JA長野県グループは平成25年度から、新規就農を支援する1億円の基金「JA長野県新規就農総合支援基金」を創設し、JAなどが行う就農研修費用への助成を始めると発表。1人当たり年間30万円、1JA(子会社)当たり同180万円を上限に、30年度までに県内全20JAで年間120人の支援を見込みます。
青年就農給付金には、就農時の年齢が原則45歳未満で研修先の経営主が親族でないなどの要件がありますが、こちらは国の青年就農給付金の支援を受けにくい農家子弟や中高年者を幅広く受け入れるのが特徴。地域農業を担う多様な人材の育成に取り組みやすい環境が整いつつあります。
[2013.5.25]
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