世界の「幸福度」を比較!OECD「より良い暮らし指標」発表/「最も幸せな国」3年連続で豪、日本は昨年同順21位
OECD「より良い暮らし指標」発表
経済協力開発機構(OECD)は5月28日、各国の生活の豊かさを示す「より良い暮らし指標」(ベター・ライフ・インデックス=BLI)の最新版を公表しました。OECD加盟34カ国にロシアとブラジルを加えた計36カ国中、全体評価の1位は3年連続でオーストラリア。2位にスウェーデン(前年4位)、3位にカナダ(同6位)が入っています。日本は21位で昨年と同順位です。
「より良い暮らし指標」は、収入、健康、教育など11項目を10点満点で点数化して算出します。国内総生産(GDP)だけでは測れない豊かさや暮らしやすさの目安とされ、国際比較する狙いでOECDが2年前から指標の公表を始めて3年目。今回の公表内容は2010~11年の統計などを基に作成されました。
日本は昨年同順21位/「安全」「教育」高水準も「仕事と生活の調和」で低評価
日本は治安や教育水準といった項目で評価が高く、「安全」(9.9点)は1位、「教育」(9.0点)でフィンランドに次ぐ2位でした。しかしその反面、住宅事情や家庭と仕事の両立度合いを示すワーク・ライフ・バランスの点でマイナスも。「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」(4.1点)は34位、「生活の満足度」(4.1点)が27位と低評価です。「ワーク・ライフ・バランス」で、日本は週平均で50時間を超えて勤務する人の割合が31.7%(OECD平均は8.7%)と大きく、余暇や睡眠、食事に充てる時間が1日13.9時間(同14.8時間)と少なかったことが響きました。
「幸福度世界一」は3年連続オーストラリア
3年連続で「最も幸福な国」に輝いたオーストラリアは、平成19年以降の世界金融危機にも大きな影響を受けず、昨年までの20年間、平均3.5%の経済成長率を維持してきました。背景要因としては豊かな資源に対するアジアからの需要や、安定した金融システムが挙げられます。
また、15~64歳の就業率は73%と、OECD平均の66%より7ポイントも高いとのこと。一世帯当たりの可処分所得は2万8,884米ドル(約295万円)で、これも平均の2万3,047米ドルを上回っています。一方で、年間労働時間はOECD平均より83時間短くなっているのです。
「幸福度」高めるには経済政策よりも市民レベルの意識変革
以上の点だけでも日本人からすると羨める話ですが、注目したいのがオーストラリア国民の共同体意識や市民参加度の高さ。上位3カ国とも貧富の差は大きく、上位20%の層と下位20%の層の所得の間には4~6倍の開きがありますが、オーストラリアでは「困った時に頼れる人がいる」と答えた人が全体の94%に上ります。「安全」世界一の日本に足りないのは「安心」ではないかと考えさせられました。
●関連記事:「OECD(経済協力機構):5/22、より良い暮らしの指標(BLI)発表/日本は36ヵ国中21位」[2012.5.26配信]
[2013.6.3]
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