海外鉄道プロジェクト参画へJR東日本、アジア初の拠点開設!鉄道コンサルティング強化で輸出拡大
昨年11月にブリュッセル、今年3月にはシンガポールに事務所開設
JR東日本は2月5日、海外の鉄道プロジェクトに関する情報収集やマーケティング強化を目的にシンガポール事務所を設置すると発表。同社は、昨年10月に「グループ経営構想V〜限りなき前進〜」を策定。グローバル化など「新たな事業領域への挑戦」を掲げ、海外の鉄道プロジェクト参画を目指します。
JR東日本では昨年11月、欧州の鉄道プロジェクトを見据えベルギーのブリュッセルに初の海外事務所を開設し今年2月から始動。シンガポール事務所は、成長力あるアジア初の拠点として3月15日に開設する予定です。
海外鉄道市場:3年後には16兆円、欧州+アジアで10兆円市場
国内では人口減少が進み鉄道事業の成長鈍化は予測され、JR東日本では鉄道網の整備や運行の効率化などこれまでのノウハウを生かし、海外鉄道ニーズを取り込む方針です。
欧州鉄道産業連盟によると世界の鉄道市場は、平成28年まで年2.5%ペースで成長が見込まれ、同年には約16兆円規模の市場に達すると予測。鉄道が生活に馴染む欧州や、オセアニアを含むアジアでは各々約5兆円市場と世界2大市場が見込まれています。海外の鉄道プロジェクトでは、欧米勢にくわえ、他国技術を自前技術に置き換える中国が低コストを武器に積極的に参入。JR東日本では、高付加価値あるノウハウを結集した総合パッケージ型の提案で競争力を高めます。
海外鉄道事業受注への近道?鉄道各社、共同でコンサル会社を設立
JR東日本は、平成23年11月に海外の鉄道プロジェクトの現地調査などを行う日本コンサルタンツ(本社:東京都千代田区丸の内3−4−1 代表取締役社長:田中正典氏)を鉄道各社と共同で設立。JR西日本や東京メトロ、JR九州、JR貨物、東急電鉄などと連携。都市鉄道や高速鉄道、貨物輸送など様々なノウハウを結集させ、鉄道のオールジャパンとして海外鉄道の発展に貢献することとなりそうです。
同社は昨年4月から本格始動し、7月にはインドやインドネシア、ベトナムの3ケ国4案件の交通システム計画のコンサルティング契約を締結。発注側の政府と準備も進み、将来は鉄道オールジャパンが受注獲得する可能性も高まります。
鉄道輸出を牽引!日立、英運輸省から5,500億円受注
昨年7月には、日立製作所が英運輸省から車両製造や保守、リースなど5,500億円規模の鉄道事業を受注。官民共同プロジェクトの第1号として長期間の交渉の末、結果を出すなど日本の鉄道輸出の機運を盛り上げます。
政府が推進するパッケージインフラ輸出において鉄道は最重要事業。官民連携で今後もトップセールスや国際協力銀行など資金調達面の拡充など欠かせません。安全性が高く定時性、高速性、大量輸送に優れ、さらに省エネ、環境や高齢者、体の不自由な方にもやさしい日本の鉄道。今後も海外の鉄道プロジェクトに参入する機会も増えてくるでしょう。
●関連記事:「英国史上最大規模の高速鉄道事業、日立が受注!官民連携パッケージ型インフラ輸出成功」[2012.8.1配信]
[2013.2.9]
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