英国史上最大規模の高速鉄道事業、日立が受注!官民連携パッケージ型インフラ輸出成功
鉄道輸出では過去最高額5,445億円受注!
日立製作所は7月25日、英運輸省から高速鉄道事業を正式に受注したと発表。総事業費は、車両596両の生産に保守業務も含め、鉄道輸出では過去最高額の45億ポンド(約5,445億円)となりました。
藤村官房長官は同日、日立を中心とした日本企業連合の受注を受け、「日本の鉄道技術の高さや官民オールジャパンでの取組みが評価された」とコメント。英国へは、野田総理や関係閣僚など政府も直接働きかけ、官民連携のパッケージ型インフラ輸出の成功に繋がりました。
規模はロンドンと主要都市約1千km、英国史上最大
日立が受注したのはロンドンと主要都市を結ぶ計約1,000kmと英国では鉄道史上最大規模のプロジェクト。日立は最高時速200kmの車両を平成30年までに収め、さらに500両を追加受注する可能性もあるとしています。
日立は受注を受け、英国や欧州での鉄道事業の市場拡大を目指し、8,000万ポンド(約97億円を)投じて英国に新工場を建設。研究開発スタッフなど700名以上を採用し、平成28年からフル生産する予定です。
日立:独シーメンス、仏アルストム、カナダ・ボンパルディアに競り勝つ
日本の鉄道技術は世界でトップクラスとされ、これまで車両の製造技術や建設技術において安全性と正確さを追求し最先端と認められています。英国高速鉄道事業では、日本同様に官民一体で輸出を推進する独シーメンスや仏アルストム、カナダのボンパルディアが競り合いましたが日立は見事に受注。「日本の技術力」を世界に示しました。
そういえば中国の高速鉄道事故から1年、事故車両は放置、原因追求まったくなし!
日立の受注発表2日前の7月23日、世界に衝撃を与えた中国高速鉄道の事故から丸1年がたちました。40名が亡くなったにもかかわらず現場には、献花台や慰霊碑もなく監視カメラだけが周囲を威圧。事故原因の追究よりも事故の記憶を消し去ろうとする当局の姿勢がありありと伺えます。
日本が同じような事故があったら、原因追究、再発防止策、責任問題と発展するでしょう。ハード面では世界に追いついても、肝心なソフト面での対応が出来ていないのは、取引きにおいて注意する必要があります。
中国高速鉄道技術は国産化?
中国の鉄道技術は、平成22年に高速車両CRHが試運転で486kmを出し世界記録を更新。現在では海外へ高速鉄道技術を売り込むにまで至っています。中国国内では、「世界最高速度」や「技術の国産化」など報道されているものの、その技術は日本やドイツ、カナダ、フランスから導入。高速車両CRHも川崎重工業の技術が導入されています。
鉄道事業に第一とされる安全は、先端技術の寄せ集めだけでは確保されません。日立の受注で安全性と正確さ、快適性にさらにエコにも優れた日本の鉄道技術で官民一体インフラ輸出が待たれます。そのためには政権が安定していて粘り強い交渉とアピールが必要でしょう。安定政権は国力を伸ばします。
[2012.8.1]
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