消費者金融の変革!?レイク:1/3総量規制なし、貸金業法から銀行法で融資開始
金融庁;消費者金融借入れ、必要書類提出不要の緩和措置、延長
金融庁は10月28日、被災地で消費者金融から融資を受ける際、「必要書類の提出を不要」とした緩和措置を、今年10月末から来年3月まで延長すると発表しました。昨年6月の改正貸金業法の完全施行により、年収の1/3までに借入れが制限された総量規制により、借入の際は、年収を証明する書類などが必要でしたがこれを不要としています。
被災地の資金ニーズの声が伺える半年の延長策は、生活や事業など義援金、補償、助成金などが被災者末端まで届いているのか懸念が残ります。金融庁では、総量規制を超えて10万円まで借入れ可能にするほか、返済期限も3ケ月から6ケ月に延長するとしています。
被災地のリスケ1万件超え、半分は住宅ローン
金融庁では同日、被災地、岩手、宮城、福島3県の金融機関からヒアリングし取りまとめた「東日本大震災以降に約定返済停止等を行っている債務者数及び債権額について」を発表。中小企業金融円滑化法のリスケジュールなど返済を猶予している被災者・企業は11,382件で、このうち住宅ローンが約半分の5,323件あります。二重ローン問題では、個人版私的整理ガイドラインが策定され8月22日から相談が受け付けられているものの、進まぬ申請に全国銀行協会も適用条件を緩和することを発表しています。
リスケジュールが実行されるなか、消費者、事業主の資金ニーズが存在する被災地に報道では見られない厳しい状況が想像できます。
「新生銀行カードローン・レイク」事業開始、銀行?消費者金融?
日本貸金業協会が10月18日発表した全国の登録貸金業者数は、8月現在わずか2,282社と未だ減少を続け、貸付残高も前年同月比で23.8%減少しています。本来であれば資金ニーズが減少したことにより総量規制の緩和措置の延長も必要ないように見えますが、被災地においては状況が緊迫していることが懸念されます。総量規制の書類は提出不要とするものの、10万円で足りるのか疑問も残ります。
新生銀行は、10月1日から新しい事業として「新生銀行カードローン・レイク」をはじめました。消費者金融のレイクは新生銀行の傘下となりその与信・回収力を背景に、新生銀行の名で融資が始まりました。
再び多重債務者増大?問われる与信力
新生銀行が窓口となることで融資は貸金業法にあたらず、銀行法のもと行われます。これにより貸金業法に関わる厳しい広告規制や年収の1/3までとする総量規制にも当たらなくなり、専業主婦でも利用が出来るとしています。消費者金融大手のアコムやプロミスなども金融機関の傘下となっていますが、事業自体は貸金業法のもと行われており、レイクの銀行業としての事業開始は消費者金融の変革とも言えそうです。
貸金業法の改正は多重債務者の増加防止を目的に施行されたもので、改正前同様に貸出が行われれば同じことが起こる可能性が高くなります。資金ニーズは、「必要な資金を必要な額を必要としている消費者、事業主に」貸し出せるよう、与信力の見極めが重要視し供給してほしいですね。
●関連記事:改正貸金業法総量規制:7割が生活資金借入できず、2割がヤミ金接触検討[2010.11.23配信]
●関連記事:金融庁要請:新生銀行が消費者金融!個人向け新型ローン発売[2010.11.11配信]
[2011.11.2]
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