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円高、電力不足に製造業苦渋:「産業発展」「安全」かを選択!原発再稼働も

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関西電力:15%節電要請に企業は海外へシフト検討/国内空洞化を促進?
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東京電力管内での夏の15%節電に大手企業は生産の拠点を西へ移動を検討、実施されるなか、関西電力は6月10日、急遽、電力需要増となる7月1日から9月22日まで企業、家庭などに対して15%程度の自主的な節電を要請すると発表しました。関西電力の節電要請は、第1次石油危機以来38年ぶりとなり、その理由を停止中の原発再稼働の遅れとしています。東北被災地のサプライチェーン(供給体制)が回復しつつあり、今回の震災で供給が停止したリスク回避から、大手製造業などは西へ工場、事業所を分散させよう、移動準備に入っていた矢先の発表でした。

東北の工場を西にリスク分散計画、突然の関西電力発表で白紙撤回
東芝は、岩手県内の工場で生産する半導体の一部を、リスク回避から兵庫県の姫路半導体工場へ生産を移動する予定でしたが、あまりに急な動きに、対応をこれから検討と戸惑いが隠せません。また大量のデータを管理するNTTは、首都圏のデータセンターにある自社サーバーを西へ移動する予定でしたが、関西電力の節電要請に「海外を含めて移転先を検討する」としています。製造業にとって電力は生産に欠かせないエネルギー。企業は、電力需要の高まる7月までの短期間に決断しなければならない状況におかれ、その下請けとなる中小・零細企業への影響も少なくはありません。

東京電力定期株主総会・株主402人:原発から撤退せよ
関西電力の15%節電要請は、東京電力の「電気事業法27条に基づく電力使用制限令」のような法的な強制力はないものの、電力供給権を握っているのは電力会社でしかありません。海江田経済産業相は、6月10日の会見で定期検査が終えても再稼働しない原発に「追加安全対策への対応を行い再起動をお願いする。地元自治体にもご理解いただきたい」と原発運転再開に政府が全力で取り組む姿勢を見せており、電力使用制限令も発令する考えがないことも示しました。

橋下大阪府知事:節電要請に「協力しない。根拠が分からない」
一方、脱原発発言を繰り返す大阪府の橋下知事は、関西電力の節電要請に「協力しない。根拠が分からない」と猛反発。「原発は必要だと言っているようにしか思えない」と批判しています。知事は関西電力に対してこれまで節電対策のための電力需給データなどを求めていましたが関西電力側は応じず、「電力は国策、知事が口を出すなというスタンスだった」と暴露し、不満をぶちまけました。福島第1原発事故によって「脱原発」の動きが広がりを見せる中、5月28日に行われた東京電力の定期株主総会でも株主402人が原発からの撤退を定款に加えるよう提案がありました。追加案は「古い原発から停止・廃炉に」、「原発の新設・増設は行わない」の2条の追加に、東京電力の取締役会では当然のように反対の姿勢を示しています。十数年先に次世代電線網・スマートグリッド構想が実現すれば「東電は必要ないと言われるのを恐れている」としか思えません。

トヨタ:2円の円高で2.5%値上げ、雇用拡大したいがグローバル競争に影響も
基幹生産工場を中部地方におくトヨタは6月10日、平成24年3月期の業績見通しの説明会で小澤副社長が、「中部電力と連携して最大限の節電努力をする」と協力の意思を示すも、「安定した安全な電力を供給していただきたい。電力供給がグローバル競争のハンディにならないことを望む」とコメント。トヨタは自動車各社や関連産業で7月1日から休日シフトを変更し、従業員や家族、さらには取引先などにも混乱をも起こしかねない状況ながらも、中部地方の電力確保のため新シフトを実施します。
 
円高「日本でのものづくりが、ちょっと限界を超えたと思う」とコメント/豊田社長
東京、東北電力に加え関西電力の節電要請、さらには九州電力にも広がりが見え始めている状況に豊田社長は、電力の安定供給を願うも、最近の円高傾向には「日本でのものづくりが、ちょっと限界を超えたと思う」とコメント。日本でのものづくりにこだわる同社だけに円高や電力供給、さらには自由貿易、法人税引下げなど課題解消が急がれます。
トヨタは1ドル80円台で1円の円高をリカバーするのに1.25%の値上げが必要と算出しており、82円から80円に円高がすすめば2.5%の値上げとなりますが、グローバル競争下では値上げは許されません。トヨタは円高で営業収支が減少するなか、被災地復興に傘下のセントラル自動車宮城工場や関東自動車岩手工場での雇用創出を目指します。同工場で生産されるのは北米市場向け小型車。こうした外貨獲得活動を政府が企業と一体となって取り組み、日銀の円高是正や金融緩和策を実施できないものでしょうか。

震災後の対日M&Aに急ブレーキ/レコフ調査結果
海外の企業や投資ファンドなどによる日本企業のM&A(企業の合併・買収)が、3月の東日本大震災後に低迷しています。調査したのは、M&A助言会社レコフ。3~5月の買収件数は前年同時期に比べ約2割も減少しています。政府の復興対策の遅れ、東京電力福島第1原発事故の影響、不安定で機能を果たしていない日本の政治が嫌気されています。
一方では、日本企業による海外企業に対するM&Aは震災後(3~5月)は4割近くも増加(件数ベース)しています。海外からの対日投資が震災の影響で停滞し、逆に日本企業が海外へのM&Aによって生産拠点の分散を進めています。これは大変なことです。海外の資金は日本への興味を失い、国内産業さえも我が国に魅力を感じなくなってしまった、ということです。当然、国内産業は空洞化、「お金がない」状態が加速してゆくことになります。

英マークイットエコノミック社:5月の製造業PMI指数「景況改善」へ
金融データや国際経済指標を提供する調査会社の英マークイットエコノミックス社が発表した5月の日本の製造業PMI(Purchasing Managers' Index:購買担当者指数)が51.3ポイントとなり、45.7ポイントに落ち込んだ4月から改善がみられました。PMIは、日本の製造業350社強の購買担当者を対象に、新規受注数や生産高、雇用、サプライヤー納期、購買在庫の5項目から算出されており、国内の製造業全体の経済状況が把握できるとしています。50.0ポイントを上回れば「景況改善」、下回れば「景況悪化」とし、震災から3ケ月が過ぎ設備の復旧やサプライチェーンの回復の見込みが公表されるなど製造業には薄日が射してきました。

第2次補正予算でピンチをチャンスに!日本の「復興力」示せ
ピンチをチャンスに。日本の「復興力」を示さねばなりません。すでに産業界は休日シフト変更や非常用電源確保、サマータイム導入と、夏の電力不足を乗り切るための企業努力を始めています。政府が今すべきことは、1日も早く第2次補正予算の早期成立させ、被災地、産業界とともに「復興力」示すことです。


[2011.6.15]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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