NTTテクノクロス:通信用レーザーを使って野菜の産地評価!カギは野菜が含む水分子の比率
野菜の水分から産地を評価
食品の産地偽装が社会問題になるなか、NTTグループのNTTテクノクロス(NTTテクノクロス(株):東京都港区 串間和彦社長)が、驚くべきビジネスを始めました。通信用レーザーで培った技術を駆使して、野菜の産地評価をするのです。野菜から水分を取りだし、水蒸気にして分析します。斬新な発想の技術が消費の質をあげるなんて、すばらしいことです。
高評価のレーザー光源、その先に...
NTT研究所(日本電信電話(株):東京都千代田区 鵜浦博夫社長)が開発するレーザー光源は、精度の高さが広く知られています。その先にある技術が、「レーザーガスセンシング」。気体に含まれる分子に特定の波長のレーザー光を照射し、分子が光のエネルギーを吸収してレーザー光の強度が落ちる性質を利用した新たな測定技術で、水や二酸化炭素、フッ化水素などの分子が検出できます。それを野菜の産地評価に応用しようというのです。
土地特有の比率で重い水が含まれる!
カギは、野菜に含まれる、重さの違う水分子の比率です。日本は、南西から北東に向かって雨雲が動きます。南の地域ほど重い水の比率は高く、北の地域ほど低い。その結果、野菜にはその土地特有の比率で重い水が含まれます。各県で育った野菜の重い水の含有率をレーザーガスセンシングで分析し、評価したい野菜の水分と比べれば、産地が当たるという仕組みです。
消費者の意識に確実に対応する技術
装置の価格は5000万~6000万円。装置も部屋を埋めるほど大きく、普及には課題もありますが、その機能は、消費者の食の安全・安心に対する意識の高まりには確実に対応しています。NTTテクノクロスは、農園運営のザファーム((株)和郷:千葉県香取市 木内博一代表理事)やレシピ提供のエス・アイテックス(エス・アイテックス(株):東京都新宿区 保永茂樹社長)と組んでいます。各社のアイデアを持ち寄りながら、よりよい装置を目指してほしいものです。
●関連記事:「幕張新都心、共同溝:富士通・伊東電機による巨大野菜工場計画、最先端設備で平成32(2020)年度稼働」[2016.5.14配信]
[2017.7.31]
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