幕張新都心、共同溝:富士通・伊東電機による巨大野菜工場計画、最先端設備で平成32(2020)年度稼働
電機メーカーによる野菜工場
千葉市の幕張新都心の地下で、搬送関連機器製造会社である伊東電機(伊東電機(株):兵庫県加西市朝妻町 伊東一夫社長)と、大手電機メーカーの富士通(富士通(株):神奈川県川崎市中原区 田中達也社長)が、巨大な野菜工場を経営します。レタスなどの野菜をトレーに乗せて管理し、LED照明*や適度な酸化炭素、溶液で栽培する最先端の工場です。この場所は、千葉県が誘致した施設や企業の電線や水道の埋設用につくられた「共同溝」でした。
幕張新都心計画の一環を有効転用
県はバブル崩壊後の平成7(1995)年、約200億円を投じてこの共同溝を建設しました。幕張新都心地区の拡大計画がスタートし、誘致した多数の企業が水道管や電線を収納できるスペースを、地下約10メートルにつくったのです。新都心のイメージもあり、機能性や景観維持が重要視された結果です。しかし、企業は当初の想定ほど集まらず、未使用区間の工場転用が決まりました。
平成32(2020)年度には、本格的に稼働
工場の使用面積は、量産時で約3600平方メートル。野菜のLED栽培は技術開発や普及が進む分野ですが、野菜トレーの自動搬送システムに加え、富士通が開発した最新の生育状況管理システムも導入します。
本格稼働で年間390万円の収入に
今年度中に1日160株を生産する実験に入り、東京五輪・パラリンピックが開催される平成32(2020)年度には、本格的に始動する予定です。
出荷先は、幕張地区周辺のスーパーやホテルなどを想定し、量産時で年約390万円の収入を見込んでいます。
今年度中に1日160株を生産する実験に入り、東京五輪・パラリンピックが開催される平成32(2020)年度には、本格的に始動する予定です。
出荷先は、幕張地区周辺のスーパーやホテルなどを想定し、量産時で年約390万円の収入を見込んでいます。
成功すれば環境面でもPRできる
誘致の失敗はさておき、利用のめどが立たないスペースの再利用策としては興味深い。共同溝内部は摂氏20度前後、湿度70~90%程度に維持されており、温度管理にかかる光熱費や空調費が削減できます。そこで滅菌が行き届いた「安心安全」な野菜ができるなら、環境面でもPRできるでしょう。
[2016.5.13]
LED照明:
発光ダイオード(LED=Light Emitting Diode)を使った照明器具のこと。白熱電球の40倍、蛍光灯の4倍~5倍と長寿命で高輝度。家電の表示ランプ、液晶バックライトなどで使われている。
読み方は「エルイーディー」。
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