証券業界で進むAI活用。SMBC日興証券はLINEで自動チャット。大和証券はAIが銘柄選別・紹介
口座開設から株価予測まで
多分野で人工知能(AI)の導入が加速するなか、「証券業界」の動きからも目が離せなくなりました。AIによる自動応答で口座開設や取引の照会ができるサービスや、株価予測にAIを活用する動きなどが活発化しています。人件費の抑制とサービスの質向上を同時に実現させるものです。
LINEを使った自動チャットサービス
SMBC日興証券(SMBC日興証券(株):東京都千代田区 清水喜彦社長)は、NTTコミュニケーションズ(NTTコミュニケーションズ(株):東京都千代田区 庄司哲也社長)が開発した「自動チャットサービス」を導入しました。無料通信アプリ「LINE」を使って顧客から問い合わせを受け、AIが解析した結果を自動で回答します。まずは、問い合わせ頻度が高い口座開設や新規株式公開(IPO)、少額投資非課税制度(NISA)、マイナンバー関連などから始めますが、将来的には、株式相場の動向なども学習し、対応範囲を広げる方針です。
AI選別の銘柄上昇はTOPIXより4%上回る
大和証券(大和証券(株):東京都千代田区 中田誠司社長は、大和総研((株)大和総研:東京都江東区 草木頼幸社長)と共同で、企業の決算データを分析し、今後1カ月程度で株価が上昇しそうな銘柄をAIが選別・紹介するサービスを始めました。過去6年間のデータで検証すると、選別した銘柄群は、なんと、平均で東証株価指数(TOPIX)を4%強も上回っていました。証券マンや投資家の勘ではなく、瞬時に計算されたデータで相場を読む時代が到来します。
手入力の誤りや異常値を発見
大量の取引データを扱うバックオフィスでもAI活用が進んでいます。野村證券(野村証券(株):東京都中央区 森田敏夫社長)も、富士通(富士通(株):神奈川県川崎市 田中達也社長)のAIシステムを順次導入し、人間が入力したデータの誤りや異常値の発見を担わせる方針。AIが全業種をどうのように変えているか、その全体像はまだ見えませんが、想定していない風景が生まれそうです。
●関連記事:「横浜銀、千葉銀など4行、AIを活用した少額融資をスタート。地方にきめ細かい資金供給」[2017.5.2配信]
[2017.5.26]
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