米アップル:AIスピーカー端末市場に参入
アップル、AIスピーカー市場化へ
米アップル(カリフォルニア州 ティムクックCEO)が、人工知能(AI)で音声に自動応答するスピーカー端末の市場化に乗り出しました。アマゾン・ドット・コム(ワシントン州 ジェフ・ベソスCEO)やグーグル(カリフォルニア州 スンダー・ピチャイCEO)が先行するなか、他社との差異化を図るその戦略は参考になります。
価格はアマゾン普及品の7倍
12月に英語圏を中心に先行発売されるのは、円筒形スピーカー「ホームポッド」。マイクが内蔵されており、利用者が天気やスポーツの結果を尋ねると、ネットで情報を探して音声で知らせてくれます。好みの曲も、タイトルを言えば自動再生。音質を重視し、センサーを使って室内を最適な音響状況にする機能もつけました。肝心の価格は、アマゾンの普及品の7倍に設定。高級イメージを世界のアップルファンに訴える戦略に出たのです。日本での発売は来年以降です。
AIスピーカーで音楽を再発明
アップルには、携帯音楽プレーヤーの市場を塗り替えた歴史があります。ティム・クックCEOは、「家で聞く音楽も再発明する」と力説し、AIスピーカーでも新たな歴史を創る意気込みを示しました。後発のアップルが勝てる分野は音楽しかないという事情もあるのですが、それをあえて「再発明」と転換してしまう点が面白い。この事業に伴い、秘密主義で有名だった体質も改め、世界中から優秀な技術者をかき集めています。
アップル応答21%、技術の精度が勝敗のカギ握る
難点があるとすれば、AIの能力でしょう。米国の調査によると、5千種類の質問に対し、グーグルのAIは68%に応答し、90%が正解でした。一方、アップルは21%にしか応答できず、正しく反応できたのは62%だったといいます。足元の技術の精度が、勝敗のカギを握ります。
●関連記事:「人工知能(AI)、仮想現実(VR):アップル乗り出す!第4次産業革命への投資」[2016.2.18配信]
[2017.6.15]
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