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変わる倒産の「潮目」8年ぶりに倒産増、深刻な人手不足倒産

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リスケは現在も金融機関で柔軟に対応
平成21年12月の中小企業金融円滑化法の施行を機に、企業は銀行など金融機関へリスケジュール(条件変更)を申請し、倒産件数は以降、減少に転じました。金融庁では、前年のリーマン・ショックを受け、日本企業の危機に対応し、同法を成立させましたが、同法は時限立法で平成25年3月で同法終了となりました。
この間に、企業はリスケジュールによって体力を温存、新たな事業・市場の開拓、同業同士の統合・再編などで、事業の再生を図ることになると金融庁を始め、有識者やアナリストなどは読んでいましたが、結果は、同法終了後も金融機関では金融庁の要請で柔軟な対応を継続することとなり、現在も倒産件数は減少傾向にあります。
この間に、IT(Information Technology:情報技術)化の加速や、IoT(Internet of Things:モノのインターネット化)、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用した事業が急速に進み、出遅れる中小企業が目立っています。

8年ぶりに企業倒産、前年超え
企業の倒産件数は、減少傾向にあったものの、今年上半期(1月〜6月)の倒産件数は4,247件となり、8年ぶりに前年同期を上回りました。今年6月には、自動車のエアバック製造大手のタカタが民事再生法の適用を申請、上場企業の倒産は1年9ケ月ぶりになるなど、倒産動向の潮目が変わりつつあるようです。
今年春先には、消費者が被害となる倒産が続き、メディアでも大きく報じられました。航空券の発券トラブルが公表された「てるみくらぶ」や、エステサロンの「グロワール・ブリエ東京」、格安ピザチェーンの「遠藤商事」など話題となりました。これら企業は事業拡大中であり、金融庁の担保に頼らない「事業性の評価での融資」を金融機関に求めていますが、結果を見ると、その難しさが感じられます。

企業の成長急ぎすぎ、人手不足の倒産増加
「グロワール・ブリエ東京」と「遠藤商事」の倒産要因は、人材不足によるものです。店舗数を急速に加速する一方、店長候補の人材が確保できず、労働環境に不満を持つ従業員も退社するなど、成長を急ぎすぎた感があります。
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人手不足が要因の企業倒産は、今年上半期に49件発生、4年前の同時期の2.9倍にも増加しています。業種別では、サービス業が全体の30.6%でトップ。次いで建設業となっています。
また、非正社員に対する人手不足感が最も高い飲食業の倒産が、前年同期から24.1%増加していることが注目され、景況感が良い情報サービス業の人手不足も高く、影響が今後どうなるか注視されます。

何年も繰り返すリスケに問題も
企業は、金融機関に対してリスケジュールを申請し柔軟に対応してくれることから、何年もリスケジュールを繰り返す企業も問題視されています。この間にも経営者の年齢は高齢化しており、リスケジュールを行ったにも関わらず倒産に至った企業の倒産件数は今年上半期に250件に上り、前年同期を28.9%上回りました。
リスケジュール期間中に、事業の拡大や新事業への移行などが進まず、事業継続を断念するギブアップ型倒産も増え始めています。大企業でも東芝やジャパンディスプレイなどの動向も下請けとなる中小・零細企業に関わってくるため、この先の動向が注目されます。


[2017.9.15]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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