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中小企業庁:倒産件数減少の影で、休廃業・解散が急増。2016年2万9583件過去最多

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倒産減少の影で急増する「隠れ倒産」
中小企業庁が今年4月、平成29(2017)年版「中小企業白書」を発表しました。倒産件数は近年、減少を続けていますが、その陰で、市場関係者が「隠れ倒産」と呼ぶ「休廃業・解散」が急増していることが明らかになりました。現場感覚では、中小企業経営の厳しい実情と倒産件数の減少が結びつかなかったのですが、これで納得できました。経済状況はまだ厳しいと言えます。
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休廃業・解散件数2万9583件
倒産件数は、平成20(2008)年の1万5646件から減り続け、平成28(2016)年は8446件。3年連続で1万件を下回りました。休廃業・解散件数は同年、2万9583件。過去最多で平成12(2000)年に比べ倍増、倒産件数の3.5倍に上っています。倒産と休廃業・解散件数の合計件数は3万8029件で、アベノミクス前の水準でした。

目立つサービス業の廃業
平成28(2016)年はサービス業の廃業が目立ち、7949件。これまで最多だった建設業(7527件)を上回っています。目立つのは、一般診療所で、この10年で335件増。医師不足が言われるのは、地域によって医師が偏在しているためで、都心部での競争が激化するばかり。内科や耳鼻科、皮膚科などが同じ建物内に入る医療モールは増えていますが、単独経営のクリニックは苦戦中です。

60代以上が8割強、後継者問題も浮き彫りに
廃業に踏み切った経営者では、60代以上が8割強を占め、後継者問題の深刻さを裏付けました。黒字にもかかわらず廃業した企業も、全体の半を占めました。経産省や金融庁は、将来性の見えない中小企業には廃業を勧めるよう、金融機関に指導しており、その結果が示された格好です。倒産件数だけでは、経済の実態は見えません。


[2017.5.8]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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