上場地方企業、86社中31社/農業総合研究所、WASHハウスほか
東京以外の企業が全体の4割弱
平成28(2016)年に株式を新規公開(株式上場、IPO)した企業は86社で、前年より12社減りました。減少は7年ぶりです。しかし、内訳を見ていくと、東京以外に拠点を置く企業が31社と全体の4割弱を占めています。地域の活性化という大きな課題を担う各地方で、地元企業に活力が生まれることは、実に心強い。証券取引所には有望企業の上場をぜひ後押してほしいものです。
上場件数は5年前の2.6倍
地方の企業の上場件数は、5年前に比べれば2.6倍です。その1つ、農業ベンチャーの農業総合研究所((株)農業総合研究所:和歌山県和歌山市 及川智正社長)は、昨年6月、東京証券取引所の新興企業向け市場・マザーズに上場しました。設立は平成19(2007)年の若い会社。農家から集めた野菜や果物を、IT化で全国のスーパーへ効率よく届ける事業を手がけます。上場後、東北や九州のスーパーからの問い合わせも増え、中途採用の申し込みも増加しました。「上場で他社との取引がしやすくなり、従業員のやる気も上がった」と順調です。
証券会社の支援を取り付け一気に上場へ
コインランドリーを手掛けるWASHハウス(WASHハウス(株):宮崎県宮崎市 児玉康孝社長)は同11月、東証マザーズと福岡証券取引所の新興企業向け市場・Qボードに上場しました。こちらは、平成13(2001)年設立。当初から上場を目指したましたが、投資家に対する事業計画や収益性の説明に苦労してきました。証券会社の支援を取り付けたことから、一気に話が進みました。
地域が活性化し、証券取引所の収益拡大にも
地方企業の上場は地域活性化につながります。もちろん、証券取引所の収益拡大にもなる。東京証券取引所は今年も、企業の上場誘致に力を入れ、全国各地でのセミナー開催や、企業の個別訪問などを行います。問い合わせに対する対応力や、そのスピード感に期待します。
●関連記事:「大阪取引所(デリバティブ取引):新システム導入。新興企業対象の4商品が新たに上場」[2016,08.01配信]
[2017.1.20]
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