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銀行の融資残高72ケ月連続前年超え!地域の地銀、第二地銀支援で農業融資拡大

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貸出平均残高、前年から3%延び449兆円
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日銀が10月12日に発表した9月の貸出預金動向によると、全国の都市銀行や地銀、第二地銀の貸出平均残高は前年同月から3.0%延び449兆3,893億円に上りました。前年同月を上回るのは72ケ月連続です。
伸び率は、前月の3.2%増から縮小しましたが、日銀によると昨年夏頃から大口のM&A(企業の合併・買収)関連の貸出が急増し、今年は大口がなかったため縮小と分析しています。
業態別では、都市銀行が同2.3%増と前月の2.8%増から縮小、今年3月以来6ケ月ぶりの低水準となりました。
一方、地銀と第二地銀の貸出平均残高は、同3.6%増と伸び率は前月から横ばいでした。

貸家建設融資、M&A向け融資が堅調
6年連続して銀行からの貸出残高が伸びているのは、アパートなど貸家業向けの融資やM&A向けの融資が堅調に伸びていることが要因があります。
国土交通省の建築着工統計調査によると、相続税の対策にアパートや貸家を建てる動きは依然活発で5年連続伸びており、日銀のマイナス金利政策により、低金利で融資され着工する流れはいつまで続くかはわかりません。アパートなど過剰な建設で都心近郊では空室が目立つ地域も出てきています。
一方、M&A向け融資は、日本市場の縮小を見越し日本企業による海外企業買収の動きも目立っており、買収での資金調達はまだ続くと思われます。

地銀、第二地銀「残された有望分野」農業関連融資に積極的
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地銀、第二地銀では、利ざや確保に農業関連への融資を積極化しています。地銀、第二地銀にとって農業関連は融資先として「残された有望分野」と見ており金利競争も厳しくありません。農業関連者にとっても金融機関のプロが連携することで飛躍につながる可能性があると期待しています。
東京証券取引所などに上場する地銀82行の今年3月期決算は、約8割が前期比から最終利益減少か赤字でした。金利の低下を、貸出残高で補えないため、貸出先探しに頭を悩ませているのが現状です。

地銀、貸出上位10行が全地銀の過半を占める
農林中金総合研究所の調査では、平成28年時点で貸出残高上位10行が、全地銀の過半を占めており、地銀間でも融資スタンスに大きな違いが出ています。
畜産が盛んである九州・沖縄の地銀の農業関連の融資残高は平成28年3月末で1,450億円と、関東・甲信や東北も各々同様額の融資がある一方、中国や四国では他地域の10分の1に留まっています。融資スタンスの違いがあるものの、地域差はそれ以上の格差を生んでいます。
IT(Information Technology:情報技術)化による生産性向上や6次産業化での付加価値・差別化などの支援で事業を後押しし、地域経済へも波及効果を広めることが重要です。


[2017.10.19]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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