人手不足による企業倒産件数、4割強増加!運輸、小売、建設業が顕著に
生産年齢人口の減少、正社員が不足する企業5割
景気回復が緩やかに維持されているなか、日本の生産年齢人口(15歳〜65歳未満)の減少によって、企業の人手不足感が一段と高まっています。
帝国データバンクが1月15日発表した「人手不足倒産の動向調査」によると、平成30年10月調査では、正社員が不足していると答えた企業は全体の52.5%と過去最高を更新しました。
また、同年11月の有効求人倍率は1.63倍と高水準が継続されています。
人手不足倒産、過去最大件数に
平成30年の「人手不足倒産」は、前年から44.3%と大幅に増え153件発生し、負債総額でも223億7,700万円に上り、3年連続で増加し、調査開始の平成25年から最多を更新しました。
企業倒産の全体件数が同年、前年を3.7%減少した中、「人手不足倒産」は、大幅増となり、増加率も平成28年以降3年連続で2桁増となりました。
調査により、6年間の「人手不足倒産」の累計件数は、500件に達したことが判明しました。
「建設業」「サービス業」だけで人手不足倒産は過半超え
業種別で「人手不足倒産」を見ると、増加率で前年比87.5%増の「運輸・通信業」がトップで、「小売業」が同77.8%増、「建設業」の同58.6%増と続きました。
件数では「建設業」が46件と最多となり、「サービス業」の41件が続き、この2業種だけで全体の56.9%と過半超えとなりました。
一方、「卸売業」の「人手不足倒産」件数は前年から30.0%減少し7件、「製造業」は同7.7%減の12件と業種別で差が大きく出た結果となりました。
人手不足、外国人労働者を34万人受け入れ
平成30年12月、安倍政権は「農業」や「介護」、「建設」、「宿泊」業など14業種で外国人労働者の受け入れを拡大する、改正出入国管理法を可決、成立させ、今後5年間で最大約34万人の受け入れを見込んでいます。
また、「運輸」業においては、労働環境の改善に向け改正貨物事業者運送事業法が成立し、この法改正により、トラックドライバーなど労働環境が改善されて雇用が期待されています。
ただ、中小企業や小規模事業者などでは、人手の確保が難しのが現状であり、雇用確保が難しい状況が続くと想定され、「人手不足倒産」のさらなる拡大が懸念されます。
●関連記事:「改正入管法成立、外国人労働者34万人受入れ!「人手不足」問題が優先、外国人への対応策は?」[2019.1.4配信]
[2019.1.29]
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