ヤマダ電機、突然の地方・郊外店舗46店閉鎖!収益高い都市部の店舗強化へ
5月25日閉鎖発表,5月末には閉鎖
大手家電量販店チェーンのヤマダ電機は、5月末で地方や郊外の46店舗を閉鎖しました。5月25日に同社が閉鎖を発表し電光石火の早さで,従業員や地域の消費者を驚かせました。
家電量販店では、都道府県すべてに出店を果たし、3月末時点で店舗数は1,016店舗。全国津々浦々に家電量販店を展開し,自社分だけで間に合わない場合は、業界他社をM&A(合併&買収)して店舗数拡大させてきました。
不採算店舗は閉鎖,都市部店舗へ注力
ただ、ヤマダ電機では、年内にも新規出店を行う予定があり,地方や郊外の不採算店舗は閉鎖する方針。これまでの拡大路線を転換し東京・八重洲などの大型店や訪日外国人が急増している免税専門店など収益力の高い店づくりに注力するとしています。
ヤマダ電機の売上高は、平成23年3月期に2兆1,500億円とピークを記録。その後は減少の一途をたどり今年3月期には1兆6,643億円にまで落ち込みました。
人口減少やネット通販の拡大も要因
ヤマダ電機は、ほんの数年前までは飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが今では売上減少。これまで全国に店舗を拡大し、より多くに販売量を達成することで、大量仕入れ,低価格というメリットを生み出してきました。しかし、地方の人口減少やネット通販拡大などメリットが生かされなくなってきました。
ヤマダ電機とはライバル関係にあるヨドバシカメラやビックカメラなどは、都心部の駅近に店舗を構える戦略をとっています。ヤマダ電機も外国人観光客向けに都心部の店舗を強化する方針を打ち出しています。
町の電気屋さんを潰した量販店
家電販売店は、松下電器(現パナソニック)が地域密着型の特約店を約2万6,000店をつくり成長。「町の電気屋さん」の時代が,家電量販店の出店で昭和50年代に崩壊しました。地域の特約店でさえ,家電メーカーから仕入れるより量販店で仕入れる方が安いと言う構造も生まれました。家電量販店の撤退で、また新たなビジネスが生まれるかもしれません。
家電量販店に限らず,地方で展開するスーパーなど大型量販店は苦戦を強いられています。アベノミクスの恩恵がいつ広がるかが今後の店舗の戦略となりそうです。
●関連記事:「家電量販店M&A活発:「ビックカメラ国内で拡大」「ヤマダ電機はスマートハウス」で明暗は?」[2012.5.16配信]
[2015.7.3]
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