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家電量販店M&A活発:「ビックカメラ国内で拡大」「ヤマダ電機はスマートハウス」で明暗は?

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ビックカメラ:コジマ買収で郊外市場を拡大
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家電量販店大手のビックカメラは5月11日、同業であるコジマを買収すると発表しました。売上高では業界最大手のヤマダ電機に次ぐ2位に浮上します。家電量販店は、大規模小売店出店の規制緩和により店舗を大型化、都心一等地へも出展してきました。ビッグカメラは大都市の主要駅前に店舗を展開。郊外に強いコジマを傘下に収めることで市場を拡大し、競争力を強めます。

家電国内市場は目玉商品なしこれからが不安
国内の家電市場は、昨年3月に終了した家電エコポイントや7月の地デジ移行ニーズによって薄型テレビなど好調でしたが、その反動からテレビ不振によるメーカーの価格競争により量販店はおろか、家電メーカーへも大きな悪影響をもたらしています。

デフレ促進?大量仕入れでさらにコストダウン
一方,ヤマダ電機は郊外に店舗を展開しながら都心中心部へ参入し家電量販店界の頂点に立ちました。都内・池袋ではヤマダ電機とビックカメラが向かい合い,その間を消費者が行き来する光景も見られます。家電製品やサービスなど消費者にとっては利便性が良くなるものの、量販店、家電メーカーとも「この価格で商売になるのか」と思うほどの安さです。
ビックカメラは、コジマを買収し、大量仕入れで家電メーカーとの価格交渉を優位にたち、さらなるコストダウンを狙うとしています。特に薄型テレビの下落は、メーカー同士の過当競争や韓国メーカーの参入など激しさを増しています。

ヤマダは異業種買収で「次世代住宅」一括提供サービス
ヤマダ電機は昨年10月、関西圏を中心に注文住宅事業を展開するエス・バイ・エルを買収。両社は提携を機に次世代住宅「スマートハウス」を成長分野と見据え,共同で事業を展開します。
両社は4月28日,「創エネ、省エネ、蓄エネ」を実現する住宅「G-SMART(Gスマート)」の販売を開始。太陽光発電システムとHEMS(Home Energy Management System:家庭内エネルギー管理システム)、家庭用蓄電システムの3点で年間光熱費を約7割削減するとしています。さらにヤマダ電機は5月10日、住宅設備機器大手のハウステックホールディングスを買収と発表。スマートハウスと家電製品,住宅設備機器を一括で提供し保守・点検サービスなどの強化を図ります。

家電量販店再編で家電メーカーも再編?
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ビックカメラのコジマ買収は、競争力を向上させ新たな市場獲得を狙いますが、国内家電市場は少子高齢化に加え、数多い家電メーカーの過当競争からテレビやパソコン、冷蔵庫など価格下落に歯止めがかかりません。
世界の電機.電子産業の市場規模は、昨年の320兆円から平成32年には450兆円と見られていますが、1社の力で海外進出する量販店は多くありません。政府は昨年,M&A(企業の合併・買収)による国際競争力強化に産業活力再生法を改正し業界再編を支援、促します。ビックカメラの買収は、家電量販店の再編を一層刺激し、さらには家電メーカー再編へも動かす結果になるかもしれません。

[2012.5.16]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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