中部3県(愛知、岐阜、三重)賃上げ率2.43%。全国平均上回る。「人材確保目的目立つ」
全国平均を上回った中部3県
中部3県(愛知、岐阜、三重)の企業の賃上げ率は2.43%となり、平成28(2016)年の実績(2.35%)を上回りました。全国平均(2.08%)よりも高い水準です。日経新聞が、平成29(2017)年の賃金動向調査としてまとめました。人手不足が厳しいとされる中部で、人材確保の一手とみられます。
製造業2.48%、非製造業1.90%アップ
97社に賃上げの調査依頼を出し、64社が回答しました。基準内賃金の平均額は31万5090円(加重平均、平均年齢37.5歳)。賃上げ額(同)は7704円で、平成28(2016)年実績に比べて287円増えました。業種別では製造業(50社)の賃上げ率が2.48%、非製造業(14社)は1.90%でした。日経新聞は、「賃上げ率の上位に優秀な人材確保を目的にした企業が目立つ」と指摘します。
従業員が複数店舗で働くセリア
100円ショップ大手のセリア((株)セリア:岐阜県大垣市 河合映治社長)は、全体の2位でした。賃上げについて、河合社長は「従業員が複数店舗で働くなど効率的な店舗運営に協力してくれていることに応えた」とコメントしました。
店舗拡大、有資格者確保が急務のスギHD
スギ薬局のスギホールディングス(スギHD(株):愛知県大府市 杉浦広一社長)も、平成32(2020)年までに1500店体制に広げる計画で、賃上げに意欲的でした。薬剤師のほか、健康相談に乗る管理栄養士など有資格者の確保が急務で、会社のやる気を示しました。
要求に満額回答のブラザー、月9700円アップのトヨタ
ブラザー工業(ブラザー工業(株):愛知県名古屋市 小池利和社長)は、賃上げ率は3.27%で、労働組合要求に対し満額回答。トヨタ自動車(トヨタ自動車(株):愛知県豊田市 豊田章男社長)は平成29(2017)年の春季労使交渉で、定期昇給にあたる賃金制度維持分を含み、月9700円の賃上げることを決定しました。この2社は、好調な業績を受けた判断です。唯一の策ではありませんが、賃上げがカンフル剤になることは確かで、企業経営者には、場面に応じた判断が求められます。
●関連記事:「安倍首相が賃上げを要請。「世界に先駆けた第4次産業革命の実戦」のために必要なものとは」[2015.11.19配信]
[2017.5.31]
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