訪日外国人客、3月単月過去最高220万5700人。旅行・観光競争力ランキング世界4位の問題点
旅行・観光競争力ランキング4位
観光力を大きく伸ばしたニッポン。日本政府観光局によると、今年3月の訪日外国人客は、前年同月比9.8%増の220万5700人で、3月単月で過去最高を更新しました。
平成29(2017)年通年の訪日客数を2800万人(前年比16%増)と見積もる、みずほ総合研究所の予想もあります。世界経済フォーラムがまとめた平成29(2017)年の旅行・観光競争力ランキングで、日本は世界4位になりました。今後の成長で懸念される"壁"について、あえて考えてみたいと思います。
税関職員は訪日客3倍増に対し5%増
まず、問題視されるのが、入国時に通る税関の遅さ、対応の悪さです。平成29(2017)年度の税関職員の定員は、約9200人。訪日客が過去5年間で3倍超増えたのに対し、定員は5%しか増えていません。近年はクルーズ船が人気ですが、数千人の訪日客が上陸する港では、入国検査を待つ人だかりができています。治安の安全・安心が日本の売りとはいえ、これはいただけない。
2020年、東京900室余剰、大阪7700室不足
宿泊施設不足も相変わらずです。みずほ総研の試算では、平成32(2020)年、ホテルの新規開業が相次ぐ東京都では900室の客室が余り、大阪府では7700室が不足します。訪日客が想定より増えれば、その東京も不足する。解決策として最有力なのが「民泊」の成長ですが、質的整備が遅れており、スペインなど欧州の観光大国のように、民泊の部屋数がホテルを上回るまでになるには、相当な改革が必要でしょう。
「MICE」の整備急務
国際会議や見本市、報酬旅行など「MICE(マイス)」の整備も急務です。MICEとは、Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、Convention またはConference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語で、ビジネストラベルの一つの形態。大きな需要があるのですが、各地で誘致合戦が起きているという段階です。
●関連記事:「訪日外国人集客の注目エリアは四国。2016年1~9月宿泊者数44万6570人で前年同期41%増」[2017.1.6配信]
[2017.4.27]
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