人口移動報告(総務省):東京圏一極集21年連続/転出増:北海道・東北
流れが止まらず21年連続の転入超過
東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への人口の「一極集中」。その流れが止まらないことが、総務省が発表した、住民基本台帳に基づく平成28(2016)年の人口移動報告(外国人を除く)で明らかになりました。東京圏の各県は、いずれも、転入者が転出者を上回る「転入超過」です。数は5年ぶりに減少しましたが、21年連続の超過です。
平均所得が高く生活が便利な都市部へ
東京圏への「転入」人口とは、都道府県をまたいで引っ越し、転入届を出した日本人の数。転入人口から転出人口を引いた人数は、前年より1489人少ないものの、11万7868人と大量でした。
景気の悪化や東日本大震災の影響などで、平成23(2011)年までは増加にブレーキがかかっている印象でしたが、平均所得が高く生活が便利な都市部への若者の流出は勢いを増しています。
若者が流出すれば地方の経済活動維持が困難に
都道府県別でみると、転入超過は7都府県で、多い順に、東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、福岡、大阪です。残りの40道府県は逆に転出超過で、最も転出が深刻なのは北海道、さらに東北です。地方から東京圏へ若者の流出が進めば、地方が自立した経済活動を維持できなくなる。自治体はさまざまな特典づくりやPRに懸命ですが、実際のところ、その地域ならではの魅力を磨き、同時に発信もしなければ、この流れを変えるのは難しいでしょう。
東北3県の転出超過は3599人増
東日本大震災の被災3県の現状にも、ふれておきます。岩手、宮城、福島3県の転出超過は、合計1万192人。前年より3599人増でした。福島第一原発を抱える福島県は、転出超過数の増加幅が全国で大きい県の1つで、避難した人の帰還の動きが一息ついたためとみられます。
●関連記事:「人口動態調査(総務省):7年連続人口減/過去最大の27万人減。北海道3.2万人、兵庫1.9万人。東京は8.6万人増」[2016.07.25配信]
[2017.2.20]
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