人口問題と労働①:「日本の将来推計人口」発表。生産年齢人口大幅減。今後20年で300万人減少
生産性に富む国」ではありえない日本
超高齢化、そして、少子化が、世界に先駆けて進むニッポン。国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口」でも、世界で類を見ない高齢国家の実情が明らかになりました。5年前の推計に比べ、少子高齢化のペースこそ緩和したものの、働き手である生産年齢人口が大幅に減っています。長期的に見れば、生産性に富む国ではありえないのです。
生産年齢人口は年間50万人ずつ減少
今回の発表では、2065年まで50年分の推計を示しました。人口減少、多死社会の到来に加え、産業の根幹となる働き手の減少が、深刻な問題として浮上しています。15~64歳の生産年齢人口は、40年時点で5978万人と、今より2割以上減少。65年には4割も減少します。生産年齢人口は年間50万人を超えるペースで減り、今後20年で300万人も減少します。
実質経済成長率を2%に保つには?
働き手の減少は、日本経済全体に巨大なインパクトを与えます。内閣府の平成26(2014)年の試算によると、現状のペースが変わらない場合、40年代以降は、マイナス成長が定着。40年代以降の実質経済成長率を1.5~2%に保つには、1億人の人口を維持し、生産性を世界トップレベルに引き上げねばなりません。無理な注文です。平成27(2015)年の日本の労働生産性(購買力平価換算)は7万4315ドル(約825万円)。主要7カ国(G7)の中で最も低いのが現状です。
女性の労働参加の全面支援が急務
夢のような処方箋はありません。語られていることですが、女性が子育てをしながら働ける環境を整えること。保育や幼児教育を無償化するために、国民や企業から保険料を徴収する「こども保険」の実現など、女性の労働参加を全面支援することが急務でしょう。まずは、国民で危機感を共有することが必要です。
●関連記事:「労働力調査、景気回復で正社員が増加!課題は非正規社員の4割」[2015.4.30配信]
[2017.5.3]
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