訪日外国人客、上半期1.5千万人超えで過去最高!下半期は大阪北部地震、豪雨停滞の影響が懸念
航空路線の新規就航、チャーター便就航が影響
日本政府観光局は7月18日、今年6月の訪日外国人客数を発表。6月は前年同月から15.3%増加し270万2,000人と6月としては過去最高でした。
今年上半期(1月〜6月)の累計でも前年同期から15.6%増えており、1,589万9,000人と20市場全てで過去最高を記録しました。
LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)など航空路線の新規就航や増便、チャーター便の就航で航空座席の供給数増加に加え、訪日旅行プロモーションの相乗効果もあり昨年以上に堅調に推移しています。
2市場で単月、18市場で6月単月として過去最高
訪日外国人客を市場別で見ると、米国とインドネシア2市場で単月として過去最高路を記録。18市場の韓国や中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、スペインでは6月として過去最高を記録しました。
毎月、前年同月を超える中国に加え、米国や欧州、豪州など9市場で前年同月から2桁増を記録しています。
一方、韓国は、これまで前年から2桁伸びで増加してきましたが、6月18日に発生した大阪北部の地震の影響が大きく、6.5%増に留まりました。
地震発生後は、地震やインフラなどの情報を現地事務所から発信し対応しています。
昨年以上のペースも、大阪北地震、西日本豪雨の影響はどこまで抑えられるか
平成29年の訪日外国人客数は2,869万1,073人で、このペースで推移すれば3,000万人も超えるペースです。
ただ、6月18日に起きた大阪北部の地震や、6月28日から7月8日にかけて豪雨が停滞し西日本を中心に、中部地方、北海道など全国的に広い範囲で台風7号と梅雨前線などで、河川堤防の決壊などで床上・床下浸水、土砂災害によるインフラや住宅などの被害が起きました。
観光庁は7月18日の会見で、西日本での豪雨の被害は比較的軽微であった岐阜の下呂温泉でも訪日外国人客のキャンセルは出ていると指摘しています。
局地的豪雨、同市内でも被害状況は大きな格差、懸念される風評
ただ、今回の豪雨は局地的であり、岡山県倉敷市の「真備地区」は、河川の氾濫で家屋が屋根まで水に浸るほどの大きな被害を受けましたが、同市の「美観地区」はほとんど被害がてていません。
ただ、「倉敷」と聞いただけで全体に風評被害が広がっており、被害のなかった地区でのキャンセルも目立っています。
「美観地区」の築100年の古民家を生かしたゲストハウス「有鄰庵」でもキャンセルは相次いでおり、同地区ではSNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)などで現状を発信しています。
これらの影響が、下半期にどのように出るか動向が注目されます。
●関連記事:「路線価3年連続上昇!東京五輪、訪日外国人客が影響か?」[2018.7.6配信]
[2018.7.23]
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