不振のアパレルのテコ入れ、名古屋で始動。名鉄百貨店、ジェイアール東海高島屋は2館で売上14.6%増
アパレルテコ入れに百貨店が動く
主要経済圏のなかでも独自の経済文化を持つのが、名古屋です。不振のアパレル、婦人服分野で、百貨店がテコ入れに乗り出しました。シニアに狙いを定めることで購買力を持つ顧客層のニーズを発掘したり、新館効果で集客力を高めようとしたりとさまさまですが、販売増が商品の拡充を呼ぶ好循環が生まれています。牽引役の二店の取り組みを紹介します。
低層階でシニア向け、消費者食いつく
名鉄百貨店((株)名鉄百貨店:愛知県名古屋市 黒野友之社長)は、昨年11月、売り場を改装。化粧品などを販売する主力売り場の1~2階のすぐ上の3階で、あえて50~60代を中心としたシニア向けの婦人服を大展開しました。シニア向けの商品を納入するアパレル各社が、この動きに敏感に反応し、他店で主力売り場から外された選りすぐりの自社製品を集中させます。すると、消費者が食いつき、売り上げが改装前と比べ1割増のペースで推移する、「婦人服販売、冬の時代」と逆行する動きが生まれたのです。お見事です。
2館合計14.6%の売上増
ジェイアール東海高島屋((株)ジェイアール東海高島屋:愛知県名古屋市 山田正男社長)は、名古屋駅前で開業したJRゲートタワーで、やはりシニア向け婦人服に注力しました。4月に開業した新館「タカシマヤ ゲートタワーモール」と、百貨店「ジェイアール名古屋高島屋」の2館体制が消費者にアピールし、新館効果で2館合計の売上は14.6%増えました。
やり方次第で百貨店もまだまだ勝負できる
2店の成功を受け、名古屋三越栄店((株)名古屋三越:愛知県名古屋市 三須尚紀社長)も、今秋から婦人服売り場をリニューアルします。松坂屋名古屋店((株)大丸松坂屋百貨店:東京都江東区 好本達也社長)も、「ブランド導入やリニューアルを継続的に行い、下振れを防ぐ」としています。郊外の大型商業施設やインターネット通販に顧客を奪われる傾向が続くのは、シニア向け婦人服も同じ。やり方次第で、まだまだ百貨店も勝負できるというお手本です。
●関連記事:「アパレル:続く冬の時代、市場規模10兆ラインを割る。若者の生態変化や古着市場拡大」[2017.1.27配信]
[2017.5.22]
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