高所得者の税負担、重く。1000万円超の給与所得控除額縮小。市販薬の税負担は軽く
「手取り増」は実感できない
平成29(2017)年は、高所得の会社員の税負担が重くなります。社会保障分野では、介護保険料が年収に応じて増減します。財政が危機的な日本。最善のバランスを探る以上、賃上げを享受できているとされる大企業社員の負担増は、やむを得ないのでしょう。ただ、給料が増えても「手取り増」が実感できない状況なら、やはり楽ではありません。
1000万円超の控除額220万円に
まず、税金。「サラリーマンの必要経費」に配慮し、給与収入から差し引いて納税額を減らせる「給与所得控除」が、年収1000万円を超える人で縮小します。平成25(2013)年の変更により、年収1500万円超の人に245万円の控除額の上限が設けられました。今年からは、年収1000万円超の人の控除額が220万円に下がります。個人住民税も、1年遅れで同様の仕組みに変わります。夫婦・子2人の世帯で、夫の年収が1200万円の場合、3万円増となる計算です。
1500品目対象に市販薬の税負担が軽く
逆に、税負担が軽くなるのは、一般家庭が購入する薬の費用。約1500品目を対象に、世帯の購入費用が年1万2000円を超えると、超過分を課税対象の所得から差し引けます。高齢化が進み、医療費の高騰が続くなか、軽症の時に病院に行かなくも済ませられるよう促すのが狙いです。上限額は8万8000円。かぜ薬「パブロンSゴールド錠」(大正製薬(株):東京都豊島区 上原茂社長)、胃腸薬「ガスター10」(第一三共ヘルスケア(株):東京都中央区 西井良樹社長)など、人気の高い常備薬を持つ製薬会社にはメリットがあるといえるでしょう。
介護保険料、中小企業では下がる
一方、 今年8月から、年収に連動して会社員らが負担する介護保険料を増減する「総報酬割」制度が導入されます(当面、総額の半分で実施)。各企業の健康保険組合が料率を決めますが、大企業では上がり、中小企業では下がる仕組みになりそうです。厚生労働省は、負担増になる人が約1300万人、減る人が約1700万人と試算しています。
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[2017.1.24]
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