消費者物価指数22ケ月連続上昇!公的年金に大きく影響
ガソリンや電気代、タバコも値上げ
総務省が22日発表した「10月の全国CPI(Consumer Price Index:消費者物価指数(平成27年=100)」は、値動きが大きくなる生鮮食品を除く「総合」で102.0と前年同月から1.4%上昇し、プラスとなるのは22ケ月連続となりました。
物価上昇率の押し上げになっているのは原油相場の高騰で、ガソリンや電気料などが相次いで値上がりを公表しています。
エネルギー関連では、電気代が全国平均で前年同月比4.5%上昇し、ガス代も同3.2%上昇し、さらにタバコ税の増税に伴ってタバコは8.6%上昇しました。
生鮮野菜、20%も値上げ
国民に身近な生鮮食品を含む「総合指数」でも1.4%上昇しており、上昇幅は前月からさらに拡大しており、今年2月の1.5%以来の上げ幅となりました。
これも異常気象による豪雨や台風などの天候の影響が大きく、エネルギー上昇分の半分近くを占め、ねぎやレタスなど生鮮野菜の物価も20.4%も上昇しました。
ただ、総務省によると、エネルギー費については来年1月まで値上げが考えられるが、以降は原油価格が下がってきているので下落基調となると予測しています。
年金受給額は減少?
原油価格が下落することにより、日銀の企業物価指数の消費財の価格も鈍化してきており、物価上昇圧力は徐々に後退していくと考えられます。
また、CPIが前年同月から上回ったことにより、国民年金や厚生年金など公的年金の給付額を抑える「マクロ経済スライド」が来年度に発動される公算が大きくなってきました。
これは、通年でも1%超えの物価高の高い水準で、物価と賃金の伸びよりも年金の支給額を抑える、年金財政の持続性を高める政策でもあります。
年金受給額に影響ある「マクロ経済スライド」制度
年金の給付額は、物価と賃金の変化により毎年改正されており、物価、賃金が上がれば年金の給付額も上がりますが、この上昇率を抑えるために平成16年に「マクロ経済スライド」が導入されました。
これは、現役世代が将来受け取る年金が減少しないようすることが目的で、現状は高齢者が年金受給額が減少することになります。
厚生労働省では、今年度から「マクロ経済スライド」が発動しない場合、減額率を翌年以降に持ち越す キャリーオーバーを開始しましたが、今年度は0.3%の減額率が繰り越され、来年度に発動する場合、給付額抑制にこの分が加わる可能性がある懸念があります。
●関連記事:「消費者物価指数17ケ月連続上昇!日銀、2%まで異次元金融緩和を持続」[2018.6.27配信]
[2018.11.30]
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