銀行カードローンの過剰融資にメス。「総量規制」により激減。一方、銀行カードローン事業拡大
過剰融資にメス
簡単な審査で数百万円のお金を借りられる「カードローン」。大手銀行や地方銀行による融資は今や貸金業者を上回り、個人向け金融事業の主軸になった感もあります。その過剰融資に抑制のメスが入ることになりました。国会などで、多重債務問題を助長しているとの批判が強まったためです。
2010年以降、総量規制できる
個人向けの無担保ローン市場といえば、かつては消費者金融やクレジットカード会社など、貸金業者が主役でした。しかし、多重債務が社会問題化し、政府は平成22(2010)年、改正貸金業法を施行。利用者の年収の3分の1までしか貸せない「総量規制」ができ、過剰融資が激減しました。この隙をついて、貸金業法が適用されない銀行がカードローン事業を急拡大させ、ローン残高は平成28(2016)年12月時点で5兆4000億円と、6年間で1.6倍にまで伸ばしています。
「エスカレートしているのでは」という批判
この状況について、麻生太郎金融相が「エスカレートしているのではないかと危惧している」と答弁するなど、国会や法曹界から再び批判が飛び出しました。まさに歴史は繰り返す、です。
全国銀行協会は、カードローン審査の厳格化に向けた申し合わせを公表。三井住友銀行((株)三井住友銀行:東京都千代田区 髙島誠頭取)は4月から年収証明書の提出を求める融資額の基準を「300万円超」から6分の1の「50万円超」に引き下げました。
三菱東京UFJ、融資額上限を50万円超
三菱東京UFJ銀行((株)三菱東京UFJ銀行:東京都千代田区 小山田隆頭取)も、近く「200万円超」から「50万円超」に下げます。みずほ銀行((株)みずほ銀行:東京都千代田区 藤原弘治頭取)も、融資の上限額を利用者の年収の2分の1から3分の1へ。地方銀行も追随する公算が大きく、業界が大わらわです。
●関連記事:「無担保融資「カードローン」、返済は「リボ払い」の危険な選択」[2017.3.7配信]
[2017.5.12]
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