ハジー技研:「真空米びつ」コメの鮮度を長期間維持/世界的食糧難問題に挑む。
「米びつ」を武器に南北問題に挑む
人類の最大の懸案である、南北問題。その根幹が、経済格差を背景とする、アフリカや南アジアなどの食糧不足問題です。
千葉県の真空容器開発企業、ハジー技研(ハジー技研(株):千葉県茂原市 萩原忠社長)が、「真空米びつ」という画期的な製品を武器に、この南北問題に挑みます。萩原社長は、人類初の月面着陸を実現した「アポロ計画」に携わった技術者です。
真空状態にする技術は特許も取得済み
「真空米びつ」は、電気などを使わずにコメの鮮度を長期間保てるのが特徴。力の弱い人でも簡単に使用でき、コメや豆といった穀物を透明のプラスチック製の袋に入れて、付属のポンプを15秒間上下させるだけです。
しかし、この「簡単さ」の背景には、高度な技術、知恵の集約があります。内部には複数の逆止弁があるポンプの構造により、吸い出した空気の逆流を防ぎます。袋の中への空気の侵入を防ぎ真空状態を保つ技術も画期的で、特許を取得しています。
1年真空保存した玄米が発芽
真空保存の効果は、多くの実験で実証済みです。佐賀県環境化学検査協会が実施した試験では、30度の温度で保管し、リン、カリウム、脂質、水分の4種類の含有量を分析したところ、米の含有成分はほぼ変化しませんでした。1年近く真空保存していた玄米が発芽したこともあります。
開発は「途上国での活用」を念頭に
国際連合の食糧農業機関(FAO)の「世界の食料不安の現状」(2015年版)によると、飢餓に苦しむ人は、2014~2016年に世界中で約7億9500万人。サハラ以南のアフリカでは、異常気象や内戦で、その数が増え続けています。インドを中心とする南アジアも深刻で、世界の飢餓分布はこの2地域で6割を超えます。
ハジー技研の萩原社長が「途上国での活用」を念頭に、開発してきたことが見事に具現化しました。これからのビジネスは、おしなべて社会的、利他的なところにこそ意義があるといえます。
[2017.1.11]
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