投資家に変化:低金利と経済低成長で、着実安定型銘柄に投資が集まる
低金利と経済の低成長が続くなか、投資家の動きに変化が見られます。
特殊な銘柄を狙う動きかと言えば、実は逆。業績や成長性、着実で安定性の高い特定の銘柄に投資が集まる傾向が強まっているのです。債券ファンドでも、値動きの安定している株を組み入れるものが増えています。
上昇率が大きいから追随し循環が生まれる
たとえば、製薬企業「そーせい」(そーせいグループ(株):東京都千代田区 田村眞一会長)は、昨年末比の株価騰落率が、プラス66.1%でした。
医療情報専門サイトなどを運営する「エムスリー」(エムスリー(株):東京都港区 谷村格代表取締役)も、同じく22.5%。こうした優良株に、投資家の関心が集中してきました。
株価が上がれば、当然、割高感が出てきますが、その上昇率があまりにも大きいため、他の投資家も追随せざるを得ない。その結果、さらに株価が上がる循環を生んでいます。
簡単に言うなら、これは「群集心理」のなせる業です。「他の人が買っているから」と、つい手がでてしまう。行動経済学では「ハーディング」と呼びます。
ただし、一時的なムードで高騰した銘柄は、需給がいったん逆回転し始めると、下げがきつくなります。リスクが伴うことも忘れないで下さい。世間の空気と同化するだけでは、卓越した投資家とは言えません。
同じ動きが債券ファンドにも波及
こうした動きは、債券ファンドにも波及しているようです。野村証券(野村證券(株):東京都中央区永井浩二社長)の村上昭博チーフ・クオンツ・ストラテジストの分析では、「株式投資信託の運用内容が似通ってきていた」という結果でした。
代表的な株銘柄として、関西ペイント(関西ペイント(株):大阪市中央区 石野博社長)や、しまむら((株)しまむら:さいたま市北区 野中正人社長)などがあがりました。
[2016.08.25]
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