全国企業短期経済観測調査(日銀短観3月):製造業を中心に景況感悪化/新興国の減速、円高、個人消費の停滞
全国企業短期経済観測調査(日銀短観)
景気回復に関して、なかなか前向きな報告できない昨今ですが、今回もよいニュースではありません。今年4月、日銀が発表した3月の「全国企業短期経済観測調査」(日銀短観)で、製造業を中心に「景況感」が大きく悪化しました。新興国景気の減速や円高などの影響です。
1万社あまりを対象にアンケート調査
日銀短観は、日銀が全国の1万社あまりを対象にアンケート調査を行い、景気の先行きを占うもので、極めて重要な経済指標の1つ。特に、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」とした企業の割合を引いた「業況判断指数」(DI)は、国内外の注目を集めます。
大企業製造業+6、前回調査より6ポイント悪化.
発表によると、この短観が、大企業製造業でプラス6と、3カ月前の調査から6ポイント悪化しました。悪化幅は3年3カ月ぶりの大きさ。自動車や電気機械の落ち込みが際立ち、非製造業や中小企業も同様でした。悪化水準としては、2013年6月以来の"悪さ"です。中国など新興国の減速や円高、個人消費の停滞など"逆風"が思いのほか強く、企業収益や個人所得にも"頭打ち感"が出て、異次元緩和で一時的に改善した景況感を帳消しにした感があります。
平成28年度の設備投資、賃上げは鈍る
今後1年間の景況感の見通しは、製造業と非製造業の双方で減速傾向と見込めます。新興国でも不安定な中国依存度を下げながら、内需拡大政策が今年の課題になります。
企業収益は一度落ち込んでしまうと、すぐに回復はしないので、平成28年度(今年)の設備投資や賃上げは鈍化傾向と認識していて間違いはないでしょう。
企業収益は一度落ち込んでしまうと、すぐに回復はしないので、平成28年度(今年)の設備投資や賃上げは鈍化傾向と認識していて間違いはないでしょう。
[2016.4.22]
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