重力波:初観測!「LIGO(ライゴ)」マサチューセッツ工科大など国際研究チーム/アインシュタイン予言の「最後の宿題」
アインシュタインの「最後の宿題」
学生時代、物理学者、アインシュタインの一般相対性理論に魅了されたものです。彼が100年前に予言し、「最後の宿題」として探索が続いていた「重力波」を、米国マサチューセッツ工科大などの国際研究チーム「LIGO(ライゴ)」がついに直接的に観測しました。一般相対性理論の正しさを裏付けると共に、光や電波では観測できなかった新しい天文学が発展します。
重力波は、ブラックホールなど質量の非常に大きな物体が動く時、周りの時間と空間(時空)がゆがみ、そのゆがみが"波"のように周囲に伝わる現象です。私たちが動くだけでも重力波は生じますが、そのゆがみは非常に小さく、とても観測できません。星の合体や超新星爆発など巨大な世界であっても、太陽と地球の間の距離を、1億分の1センチ変化させる程度なのです。
重力波の研究がすごい技術を生み出す可能性も
アインシュタインは、1915から16年にかけて発表した一般相対性理論に基づき、その存在を予言しました。一般相対性理論は、天体の動きや宇宙の膨張、ブラックホールの観測などからその正しさが証明されてきましたが、重力波の直接観測だけは、20世紀中に実現できませんでした。LIGOの装置は、1辺4キロの管をL字形に配置したもの。日本でも、東京大宇宙線研究所などが大型低温重力波望遠鏡「KAGRA(かぐら)」(岐阜県飛騨市)の建設を進めており、ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章・同所長らが重力波の検出を目指しています。
相対性理論は、現在の全地球測位システム(GPS)につながりました。重力波の研究も、将来、想像もつかない技術を生み出すかもしれません。
[2016.2.29]
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