新国立競技場のデザインが決定! "トラブル続きの五輪"を払拭するような名建築を期待したい。
丹下健三の後は、隈研吾デザインで決定
すったもんだの末、2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場のデザインが決まりました。2つ出されたA案、B案のうち、大成建設などが提案した「A案」です。日本スポーツ振興センター(JSC)の大東和美理事長が、安倍首相に報告し、了承されました。
デザインは、建築家の隈(くま)研吾氏です。国産スギを多用し、神宮外苑の豊かな緑と一体化できるよう、高さを50メートル以下に抑えました。水平に重ねた深い軒ひさしに特徴があり、伝統的な日本建築を表現しています。JSCは、業者側と設計委託契約を結び、基本設計・実施設計、本体工事着工へ進みます。安倍首相は「世界の人々に感動を与えるメインスタジアム、次世代に誇れるレガシー(遺産)に」と関係者を激励し、手綱を締めました。
旧案より1000億安く、B案より7億安い
正直なところ、B案を推す声も、私の周囲に多くあります。A案が有利なのは、なんと言っても、費用でしょうね。廃案になった旧案は、総工費が2500億円超。A案は、それより約1000億円安い約1490億円で、竹中工務店と清水建設、大林組グループが提案したB案より7億円安い。工期もわずかに短い。今回は、ここが強烈なアピールポイントになりました。
耐久性、臨場感、環境との調和、観戦時の心地よさ、五輪後の利用計画......。メイン会場に求められるもののハードルは高い。一流選手のためだけでなく、障害のある人にも使いやすいユニバーサルデザインの施設、日本の "おもてなし"感覚も生かしてほしい。今後の基本設計や実施設計で、国民の期待がまさか裏切られることがないよう、見守っていくしかありません。
[2016.1.8]
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