JAXA(宇宙航空研究開発機構):静かな旅客機の実現!その名も「FQUROH(フクロウ)プロジェクト」/三菱リージョナルジェットに応用の予定
旅客機は、そもそもなぜうるさいのか
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、その技術を駆使して、「静かな旅客機」を造ろうとしています。今月、里山空港(石川県輪島市)で、専用機の飛行実験を行った騒音低減技術の実験が行われました。騒音のデータは今後の実験に生かされ、将来的には国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」に応用される予定です。夢のある話ですね。
旅客機は、なぜ、うるさいのか。都市部にある空港の近隣住民から、常に騒音の苦情が出るのはなぜか。簡単にいえば、あの音は、エンジン音と、機体が風を切る音の複合音です。エンジンはこれまでずい分改良が進みましたが、風切り音については、機体が揚力を得るために翼に取り付けた「フラップ」や、車輪の周りの複雑な空気の流れが原因というメカニズムこそ研究されてきたものの、実際の改良は不十分でした。JAXAの最先端技術をそこに生かすのです。
海外への技術輸出も期待できる!
JAXAは、空気の流れが乱れないよう、主翼の前面をギザギザに加工したり、フラップの端を丸い形にしたり、車輪の軸部分には特殊なカバーを取り付けたりする技術開発を進めています。その名も「FQUROH(フクロウ)プロジェクト」。今回行われた実験では、空港の滑走路脇に約200個のマイクを置き、騒音低減技術を加えていない実験用ジェット機「飛翔」を上空約60メートルで飛ばしました。機体の先端には、速度などを測る「ノーズブーム」を取り付け、騒音の出所や大きさなどの精度の高いデータを収集しました。
フラップ改良など着想は斬新で、世界でも例がない騒音低減技術を目指し、19年度には、MRJで実用化します。海外への技術輸出も大いに期待できる。国内企業も一体となって、日本が誇る最先端技術を発展させ、社会の幸せにつなげてほしいものです。ついでに、飛ぶ機が少なく静かだという理由で実験の場所に選ばれた輪島市のPRにもなればいいですね。
[2015.10.24]
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