小牧市、ツタヤ図書館:住民投票で反対多数!市民によって拒否/運営上の問題点も指摘!
成功例の武雄市図書館は年間80万人超の動員数
図書館利用者が全国的に増えるなか、レンタルソフト店「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」(本店・大阪市)が、図書館建設に乗り出しています。今年4月に開館2周年を迎えた佐賀県武雄市では大成功し、12月にオープンする岡山県高梁市でも、大きな期待かかります。ところが、愛知県小牧市では、同様の建設計画が、住民投票で是非を問う騒ぎになりました。違いは、行政手法でしょうか。
武雄市図書館・歴史館は、瀟洒な鉄筋2階建て。メディアホール、点字・対面朗読利用室から、こどもトイレ、授乳室もあります。ツタヤの協力で蔵書を増やし、コーヒーチェーン「スターバックス」を併設するなどの工夫で、昨年度は、予想の倍近い80万736人の利用者を集めました。1日平均では2193人、貸し出し利用者が421人。貸し出し図書数1315冊というから、立派です。図書館が核になる複合施設のため、CCCが市の指定管理者を務めます。
続きたい小牧市、住民投票の結果は......
この成功を追いかけたのが、高梁市です。JR備中高梁駅前に総事業費15億円で複合施設を造る計画で、老朽化が進む図書館は2~4階に移り、2階はカフェや書店、3階は一般書や専門書、4階は児童書を置きます。蔵書数は2万7000冊増の14万冊、座席も10倍増の300席としました。他のフロアには、商業施設やバスターミナルが入り、使い勝手のよい施設になるでしょう。
さて、小牧市の計画は、やはり図書館に書店やカフェを併設し、名鉄小牧駅前を活性化させようというものでした。建設費は42億円で、3年後の開館を目指しました。ところが、市民グループから「市民の声を聴いていない」「選書の方法が不透明」「建設費が高い」などの批判が出て、建設の是非を問う住民投票を行うことになったのです。10月4日に投開票が行われ、結果は反対3万2352票、賛成2万4981票。小牧市とCCCの計画は、一時停止に追い込まれました。行政側の説明不足。市議会との折衝力の低さ。住民投票の結果は、そのあたりの原因も反映しているのでしょう。しかしその一方、最近の報道では既存のツタヤ図書館側の選書の問題(風俗関係本が蔵書になっていた)や、図書館司書の不在を思わせるような分類法への指摘など、利用者からCCCへの疑念の声も上がりはじめています。ツタヤ図書館が地方創生に貢献したことはわかりますが、CCC側も、「公共の図書館」を運営しているという自覚をもって、早急に対応していかなくてはならないでしょう。
[2015.10.10]
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