チリ産ワインの需要が急速に拡大! 価格やテイストが日本人のニーズに合い、今年のヌーボー解禁ではフランス産を抜くとの見方が大勢。
今年のヌーボー解禁は、チリ産がフランスワインを抜く!?
チリ産ワインの需要が急拡大しており、輸入ワインの王者だったフランスを抜くかもしれません。1000円前後の価格、芳醇な味わい、口当たりのよさ、香り。日本人の舌とニーズに合っているのです。日本とチリの経済連携協定(EPA)で、価格を下げやすくなったことも影響しています。国内のワイン各社も、新商品の投入など新規顧客の取り込みに懸命です。
財務省の貿易統計によると、チリ産の2014年の輸入量は4369万リットルで、8年で5倍超になりました。同年の通関実績は前年比17パーセント増の520万ケースと、フランスに次ぐ第2位。ただし今年1~7月に限れば、チリ産が2828万リットルで、2647万リットルのフランス産を上回りました。秋には、フランスから新酒のボージョレ・ヌーボーが入りますが、業界では「今年はチリ産がフランス産を抜く」との見方が大勢です。時代は変わりました。
「安くておいしい、といえばチリワイン」の時代
最近のワイン市場は、停滞気味でした。最新の課税数量の統計で見ても、輸入ワインは1~4月で3%増ですが、国産ワインは前年を割り込み、トータルで1.5%増にとどまりました。ところが、チリ産ワインだけは特別だったのです。「アサヒビール」が販売するチリ産ワイン3強のひとつ「アルパカ」は、前年比2・7倍で、46万ケースを売り上げました。「メルシャン」の「フロンテラ」も8%増です。ブームに乗り、中高価格帯の「カッシェロ・デル・ディアブロ」なども伸びています。今後は、「安くておいしい」との評価が定着しそうです。
さて、企業の動きも活発です。「サントリーワインインターナショナル」は早速、チリの老舗ワインメーカー「サンタ カロリーナ」と共同開発した「サンタ バイ サンタ カロリーナ」を発売しました。「赤・白とも、料理に合う華やかな香り」が売り。税別500~600円。「メルシャン」も、大手ワイナリー「コンチャ・イ・トロ」と提携し、ほのかな甘みを味わえる「プードゥ」を、税別610円で投入します。
[2015.10.3]
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