地方創生の一環として「改正地域再生法」が成立! さらに来年以降は、賃上げもした企業への税制を優遇拡充する方針。
地方に進出するなら来年度以降が狙い目か
政府の看板政策である「地方創生」。その実現には、東京一極集中の解消、つまり、企業の地方移転が不可欠であり、6月、税制優遇などでそれを促す「改正地域再生法」が成立しました。次の一手として、2016年度以降、賃上げもした企業に優遇範囲を拡充する方針のようです。地方で雇用を増やし、給料も高くすれば、さらに税制で優遇する。よい手かもしれませんね。
すでに始まっている優遇制度「地方拠点強化税制」では、東京23区から本社機能などの一部を地方に移した場合、事務所取得額などの7%を法人税額から控除できます。雇用者を増やすと、1人当たり最大80万円も税額から差し引けます。「所得拡大促進税制」と呼ばれる今回の手は、給与を一定額以上増やした企業が、給与増加額の10%を法人税から差し引けるというものです。13年度につくられた制度ですが、地方拠点強化税制との併用ができませんでした。
大企業の地方進出が結果的に国力を上げる
実際、所得拡大促進税制の効果は大きく、13年度は1万社強が活用し、以降も活用が広がっています。最近では、北陸新幹線の開業に伴う動きが目立ち、ファスナー・建材大手の「YKK」が東京から本社機能の一部を富山県黒部市に移すことが、ニュースになりました。「楽天」も北陸支社を金沢市に開設、液晶大手の「ジャパンディスプレイ」は石川県白山市、電気用セラミックス製造大手の「日本ガイシ」は能美市で、それぞれ新工場建設を進めています。
昨年、「2040年までに896の自治体が消滅する」と予測した日本創生会議(増田寛也座長)の報告書が発表されました。人口減少などの理由で、地方自治体の財政が追い込まれていくことは間違いありません。企業が移転すれば、従業員もそれに伴って移るわけですが、地域の魅力を1人1人が確認し、地方に貢献していく時代に入った、と考えてみてはいかがでしょう。
[2015.9.18]
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