航空機生産の現場に改革の予感! 熟練工頼みだった工場で続々ロボットを活用。競争力のあるシステムへの脱皮が求められる。
ロボットが航空機生産改革のカギを握る
富士重工業、三菱重工業、川崎重工業。言わずと知れた日本の航空機機体メーカーがこぞって、生産システムも「ロボット」の導入や「自動化」を進めています。新興国の需要が増え、主要取引先の米ボーイング社からは、増産とコスト削減を求められています。熟練工の育成も容易ではありません。こうした環境下で、航空機の生産改革が一気に進むかもしれません。
ロボット活用の初号機は20年に納入予定
富士重工業は7月中にも、ボ社の中大型機「787」向け中央翼を製造する工場で、自社開発の穴あけロボットを導入します。担うのは、これまで手動で行われてきた「シートトラック」と呼ばれる、座席用レールの穴あけ工程。センサーとドリルが、レールの上を動きながら穴を開けます。ロボット本体は驚くほど小さく、重量はわずか約20キログラムです。ロボットが自走するための補助レールも必要ありません。まさに、最先端を行く技術です。
三菱重工は、広島市の自社工場に新設する、ボ社の次世代大型機「777X」の後部胴体の生産ラインを刷新します。ロボットは、航空機の外側の金属製パネルを運び、穴を開けたうえでパネル同士を接合します。これによる省力化は明かです。同社によると、生産ラインは2016年ごろに完成する見通しで、17年に生産を始め、20年には初号機の納入が予定されています。
川崎重工業も、神戸市にあるエンジン部品の生産ラインで自動化を進めています。「777X」では、胴体の前部などを製造予定で、担当する愛知県の工場でもロボットが積極活用されます。
増産体制への対応は、もはや不可避
世界のジェット機の運航機数は、今後20年間で倍増する見通しです。理由は、新興国の成長ばかりではありません。先進国でも、より燃費のよい新機種への切り替えが進みます。格安航空会社(LCC)も増えていくでしょう。増産に対応できる、競争力のある生産システムへの脱皮は、日本にとって避けて通れない道といえます。
[2015.7.17]
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