内閣府:月例経済報告「企業部門に改善、緩やかな景気回復」!懸念は節約志向残る個人消費
国内景気の基調判断:上方修正は7ケ月ぶり
内閣府は3月23日、3月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を「企業部門に改善がみられるなど、緩やかな回復基調が続いている」と、昨年7月以来8ケ月ぶりに上方修正しました。内閣府では,景気回復が着実に進んでおり、生産や企業収益が改善していることを反映したとしています。
月例経済報告は、経済全般を総括的に評価し、個人消費や設備投資,公共投資,輸出・輸入、企業収益、雇用など個別の要素も言及し、数値でなく、独自の表現で内閣府が公表しています。
企業の「生産」「企業収益」「業況判断」が大幅に改善
基調判断を構成する14項目のうち、「生産」や「企業収益」「業況判断」の3項目が大幅に上方修正。「生産」は、鉱工業生産指数が1月に前月比3.7%に上昇し、企業の生産や出荷が活発だったことが反映されました。「企業収益」は,昨年10月〜12月の法人企業統計の経常利益が前年同期比11.6%増え、規模別でも大手・中堅企業が同8.7%増。中小企業が同19.0%増と高い伸びを示したことを反映しています。また、「業況判断」は、2月の「おおむね横ばいの動き」に「一部に改善の兆しもみられる」を加え判断を引上げました。
「個人消費」は6ケ月現状維持
一方,「個人消費」は昨年9月に下方修正した後,6ケ月連続で判断を維持。主要指標である消費者総合指数が1月まで2ケ月連続で前月比マイナスになるなど内閣府では「個人消費が上向く動きは確認できていない」と判断しています。ただ、昨年12月の「消費マインドに弱さがみられる」との表現は削除し,消費者心理や街角の景況感が改善されていることが反映されました。個人消費を巡っては、昨年の消費税増税後の冷え込んだ消費者心理が和らぎつつあるとしています。
1月家計調査:消費支出全体は0.3%減少
実際に消費が持ち直すかははっきりしないものの、家計調査では1月が衣料品や食料品が振るわず消費支出全体は0.3%減少。減少は5ケ月ぶりとなり内閣府では、「節約志向が残っている」と分析しています。
個人の消費回復には所得が上がった実感が得られることが重要。春闘では、連合が集計した今年の賃上げ率が前年比2.43%。平成27年度以降、安倍政権の期待がどれだけ実現され、本格的な景気回復に繋がるかが鍵となります。
[2015.3.30]
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