企業倒産件数1割減、負債総額は3割減!金融円滑化法終了後もリスケ効果絶大
倒産件数,24年ぶりに1万件割れ
東京商工リサーチは1月13日、昨年の全国企業倒産件数が9,731件、負債総額は1兆8,740億6,500万円だったと発表。倒産件数は前年比10.3%減と6年連続で前年を下回り,平成2年以来、24年ぶりに1万件を切りました。
金融機関など中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)に対応していることや,昨年の消費税率引上げで公共事業を前倒しで発注するなどの経済政策効果がみられます。今後、消費マインドや人手不足など解消がみられれば、倒産が抑制される見込みです。
大型倒産1/3に減少
負債総額では,前年比32.6%減と2年連続前年を下回り24年ぶりに2兆円を割り込みました。負債100億円以上の大型倒産は前年の21件から7件にとどまりました。
上場企業の倒産は平成25年9月以降なく、上場企業の倒産ゼロは16ケ月連続で過去3番目の長さ。アベノミクスによる株高や低金利を背景に大企業の経営環境は改善をみせています。
小規模企業の倒産が全体の7割
一方,大企業の倒産は抑制されているものの、小規模企業の倒産の増加は目立っています。昨年倒産した企業のうち、従業員が5人未満の倒産件数は全体の70.3%と、この20年で最高となりました。消費税増税や円安傾向など小規模企業の経営は全般的に厳しい状況が伺えます。
輸入を中心にアベノミクスの恩恵を受ける企業が増えた一方で,消費税増税や円安,流通の構造変化などに対応できなかった企業の破綻が目立ちます。
不動産、サービス業、農・林・漁・鉱業が倒産増加
産業別の倒産件数では,10産業のうち7産業で倒産が前年を下回りました。ただ、不動業が前年比7,9%増の340件と5年ぶりに前年を上回り、サービス業他,農・林・漁・鉱業でも3年ぶりに倒産が増加しています。
企業倒産件数や負債額は大幅に減少傾向にあるものの、負債1億円未満の倒産企業は構成比71.6%を占めます。中小企業、零細企業など今後も円安による原材料費の上昇や,人手不足、消費増税による消費心理の回復の遅れが懸念されます。
[2015.1.21]
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