平成の零戦「心神」年内初飛行!/数の中国に技術で対抗、日本の航空技術に焦りの米国
零戦を生んだ同じ名古屋で生産
映画「風立ちぬ」や「永遠の0(ゼロ)」の興行ヒットで零戦(ゼロ式艦上戦闘機)への関心が高まるなか、「平成の零戦」が今年中に誕生します。将来の国産初のステルス戦闘機「先進技術実証機」、通称「心神(しんしん)」が年内に初飛行。小野寺防衛相は、今年4月の外交防衛委員会で年内中の初飛行を改めて明言しました。
主契約企業の三菱重工業では、零戦を生んだ名古屋航空宇宙システム製作所で仕上げ作業が施され、まさしく零戦の遺伝子を受け継ぎますが、名称が心神(しんしん)とは隣国と間違われそうです。
次世代零戦、優れたステルス性能と機動性
心神の特徴は、レーダーから探知されない優れたステルス性能と機動性にあり、エンジンは双発でIHIが担当。アフターバーナーを備えたツインターボファン方式のエンジンは最大出力10トン級。エンジンの推力を直接偏向でき、従来の空力舵面では不可能な高迎角での運動性を実現。これまでだったら失速する飛行場面でも機体制御が可能となり空中戦での戦闘能力が強化されています。
主翼と尾翼は富士重工業が担当し、機体の約3割が最先端の炭素繊維強化プラスチックで軽量化。操縦席は川崎重工業が製造します。
対中国、ロシア:技術で数を抑えられるか
防衛省では、心神の開発を通じ今後十数年間で情報化、知能化、瞬間撃破力とステルス能力を備えた次世代戦闘機を製造する計画です。戦闘機を巡っては、中国やロシアなど日本は数的に劣勢に立たされるなか、日本企業の最先端の素材技術や半導体デバイス技術、耐熱材技術が活かされます。
防衛省によると心神の開発費用は規模によるものの、予算は5,000~8,000億円規模としています。小野寺防衛相は、次世代戦闘機を国産か国際共同開発するか平成30年までに判断するとしています。
米国、主力戦闘機、外国への売却禁止
ステルス技術や戦闘能力性などの技術については同盟国と言えども米国は、これまで日本にシビアな態度をとってきました。軍事技術は秘匿性が高く、航空自衛隊が次期主力戦闘機として予定していた米国の「F22」は、秘密保持から外国への売却を禁止しました。
心神のステルス性能についても日本国内に試験施設がないため米国に依頼したものの拒否。平成17年にフランスが電波試験施設の利用を快諾しました。向上する日本の技術により、米国による圧力や中国からの嫌がらせなど心神の初飛行は新たな火種ともなりそうです。
[2015.5.30]
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