アベノミクスの反動?人手不足店舗閉鎖・工事延期続出!従業員:待遇改善・外国人・シニア・女性雇用はあまりにも場渡り的
建設業:工期遅延や中止、外食:営業時間短縮、店舗閉鎖も
アベノミクスによる景気回復基調や公共事業の増加により建設業を始め,小売や外食産業で人手不足が深刻化しています。企業の業績は改善する一方、建設業では職人不足による工事の遅れや中止、外食産業などでは営業時間の短縮や店舗閉鎖にまで追い込まれています。
東京商工リサーチによると今年1月~4月までの人手不足による企業倒産件数は、「後継者不在型」が80件、「従業員退職型」が3件,「求人難型」が2件。後継者不足が圧倒するものの、今後は「求人難型」の倒産増加も懸念されます。
牛丼すきや100店休業、居酒屋和民60店閉店
建設業の場合、東日本大震災の影響で雇用が東北に集中するなど時限的な減少である一方,外食産業の人手不足は構造的なものです。牛丼の「すき家」は人手不足で100店以上が休業し、居酒屋の「和民」も60店舗が閉店する見通しです。
円高によるエネルギーコストや原材料費の高騰に、建設業や小売,外食産業などでは、人件費を抑え利益を確保したものの、過酷な労働条件に嫌気がさした感もあります。
「すき家」や「和民」、「ユニクロ」などアルバイトの時給アップや正社員登用など待遇改善に乗り出してきていますが,賃金だけの課題か今後の行方が注目されます。
安倍政権:時限的に外国人労働者拡大
全国的に人手が不足するなか、安倍政権は外国人労働者の受入れを一時的に拡大する緊急対策を決めました。特に建設業では,東京オリンピック・パラリンピックの開催も決まり交通インフラや関連施設など人手不足に拍車をかけました。東京五輪開催までの時限措置とし、発展途上国の人材育成として手助けする国際協力としていますが、あまりに日本の都合でありその場しのぎの策としかみれません。
外国人労働力の拡大は,日本人の雇用や生活環境にも影響を及ぼします。国民的な議論も不可欠ともみれます。
日本の生産年齢人口、32年ぶりに8千万人割れ
安倍政権は、外国人労働者の受入れ拡大の検討をはじめ、女性やシニアの就労をも促します。労働力の中核である15〜64歳の生産年齢人口は32年ぶりに8,000万人を割り込み社会保障も深刻です。そのため女性の就業拡大に配偶者控除見直しを本格的に議論。待機児童が解消されぬまま順番が逆のようにも見えます。
一方,シニアの就労を促すため田村厚生労働相は、年金の支給開始を本人の選択で70歳まで伸ばすことができるか議論する考えを示しました。人手不足が問題となるなか、いつまで働かされるのか雇用環境に大きな変革がみられそうです。
[2014.5.16]
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