酒販界に黒船襲来!Amazonが酒類直販開始/アスクルもネット酒販事業買収、酒販業界は戦国時代
Amazonが酒類直販開始
4月8日、通販最大手のAmazon(アマゾンジャパン株式会社:東京都目黒区下目黒1‐8‐1/代表取締役社長 : ジャスパー チャン氏)が酒類の販売を開始しました。従来も自社サイト「マーケットプレイス」に出店する企業が取り扱っていましたが、自社でも直販を行うことになります。
直販開始と同時にリニューアルした「お酒サイト」は、日本酒やビール、ワインなど酒類を5,000種類以上追加、合計で15万種以上を取り揃えた日本最大級のお酒売り場です。
取扱いは15万種以上、国内最大級の品ぞろえ/即日配達も可
特に、地酒とシングルモルト・ウィスキーに力を入れて品ぞろえを充実。地酒は47都道府県の銘酒をそろえ、日本酒は1,000種以上、焼酎は1,400種類を揃えているとのこと。シングルモルト・ウィスキーも、国内全ての蒸留所の商品を含む300種類以上を用意するという徹底ぶりです。
また、登録店舗ではなくAmazonから直接購入することによって「送料無料」となるほか、「Amazonプライム」会員であれば「当日お急ぎ便」等のサービスも可能になるなど、メリットは多数。商品価格は他サイトと比較すると「最安値」とはなかなかいかないようですが、配送料を加味すると結果的にAmazonの方が安く購入できる場合も多い様子です。
「送料0円」が既存店駆逐懸念
利用者にとって良いことづくめであるように感じられますが、既存の酒販店にとっては、それが大きな脅威となることが懸念されます。
特にポイントとなりそうなのが、送料の問題。この度の消費税増税に伴い宅配業者の料金改定(値上げ)もあり、商品によっては「クール便」のオプション料金も必要になるため、配送コストはバカになりません。規模の小さい商店では、商品価格はともかく、「送料無料」に太刀打ちするのは非常に困難であることでしょう。
アスクル:ネット酒販事業買収/個人通販事業強化
4月14日にはオフィス通販でおなじみのASKUL(アスクル株式会社:東京都江東区豊洲3‐2‐3/代表取締役社長 兼CEO:岩田彰一郎氏)が、インターネットで酒類販売事業を展開する昌利株式会社(茨城県水戸市河和田3‐2585‐8/代表取締役:笹島利昌氏)を買収することが明らかになりました。
その名の通り注文の翌日に商品が手元に届くアスクルも、豊富な品ぞろえと注文の時間帯によっては「今日クル」となるほどの提供スピードの速さが強み。個人向け通販の「LOHACO」も好評であることを受け、酒類の取扱商品拡充を狙います。
Amazonという黒船が襲来、アスクル勃興と、酒販業界は新勢力に襲われることとなります。中小販売店がこの乱世を戦い抜くには、ブランド力やサービスを磨くだけでなく資金繰りの知識向上も欠かせません。
[2014.4.21]
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