新幹線を国際標準化:JR4社が協会設立/台湾、英国とはコンサル契約締結、海外での拡大狙う
新幹線開業から半世紀、蓄積した財産を世界へ配信
JR東海と東日本、西日本、九州のJR4社は4月1日、日本の高速鉄道システムの国際標準化を進める国際高速鉄道協会を設立。4月10日に1回目の会合を開き、東海道新幹線開業から約半世紀で蓄積したものを財産として世界へ発信する方針を示しました。
同協会にはJR4社のほか、台湾高速鉄道など国内外の鉄道事業者や日立製作所をはじめとした車両メーカー、商社が25社参加。日本の新幹線で衝突を防ぐ仕組みとなる自動列車制御装置など国際標準化を目指します。
安全で安定運行、これまで死傷者はゼロ
日本の新幹線は開業以来、列車事故による「死傷者ゼロ」と絶対的な安全性を誇り,安全で安定した輸送を継続。高頻度な列車を運行し環境性能にも優れ、信頼性と効率性を備えた世界最高水準の高速鉄道システムです。
新興国はじめ世界各国では,多くの高速鉄道プロジェクトが計画され、協会の取組みを通じ各国の実情に適応しながら世界の高速鉄道の発展に寄与することを目指します。すでにJR東海やJR東日本では、個別に海外の高速鉄道への参画を目指す動きもあり、欧米勢が競合相手となるなか、協会の設立で日本の高速鉄道の輸出を後押します。
JR東海:台湾新幹線のコンサル契約を受託
JR東海は4月9日、台湾新幹線を運行する台湾高速鉄路と自動列車制御装置など技術面のコンサルティング契約を結んだことを発表。台湾ではすでに日本の新幹線システムを採用しており、同社では海外で成功した例として海外展開を強化する意向を示しました。
台湾新幹線は、平成19年に日本の新幹線システムの多くを取り入れ開業。JR東海が今回受託したのは、南港駅への路線延伸工事における自動列車制御装置のデータベースの切替えなどに関する技術コンサルティングと、運行管理システムの助言業務となっています。
JR東日本:英国の高速鉄道建設のコンサル契約を受託
一方,JR東日本は4月3日、英国の高速鉄道「HS2」建設プロジェクトに関しコンサルティング契約を締結。日本の新幹線で培った定時運行や安全に関するノウハウや騒音対策に関する技術も提供します。
日本の高速鉄道システムへの信頼はすでに実証済み。インドやシンガポール、マレーシアでも相次いで高速鉄道システム計画が発表されています。協会設立で鉄道関連企業や政府の後押しで日本の新幹線技術のグローバル化を狙います。
[2014.4.15]
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