「私はやっていない!」PC遠隔操作事件、誤認逮捕に始まり虚偽.矛盾だらけの証拠で被告人保釈
最高裁:検察の抗告棄却し保釈許可
4人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件で威力業務妨害罪などに問われた元IT会社員の片山氏は,東京高裁の保釈許可が確定し3月5日保釈されました。保釈をめぐり,検察側は保釈を認めないよう最高裁へ特別抗告したものの棄却。最高裁は、片山被告が逃げず、証拠隠滅を図らないと判断しました。
片山氏は、2月12日の東京地裁の初公判で自ら遠隔操作プログラムの作成技術がないとして全面無罪を主張。一方,検察側は片山氏の派遣先の企業のパコソンで遠隔操作ウイルスの痕跡があることを証拠に有罪を主張しています。
大勢のマスコミ引き連れ突然の逮捕
メディアのインタビューによると片山氏の逮捕は、突然何十人もの捜査員が自宅に押し掛け、居間に隔離され2時間後にいきなり逮捕状を読み上げたといいます。片山氏は、家宅捜査はわかるものの、マスコミを大勢引き連れ、逮捕状まで用意。家宅捜査後の押収物を分析すれば多くの矛盾がわかったにもかかわらず、これらのプロセスを一切無視し逮捕されたといい、警察の捜査方法に怒りをみせました。
大手メディアでは、片山氏が犯人との証拠が公表されるたびに大々的に報じられましたが、虚偽の証拠や矛盾を含む証拠が次々に判明。警察、マスコミとも訂正の報道や発表はありませんでした。
片山氏:「検察は屁理屈で誤摩化している」
片山氏は、保釈後の会見で事件への関与について「私はやっていない。身に覚えもない」と無罪を訴え,改めて関与を否定。検察側の取り調べでは、証拠が矛盾しているにもかかわらず屁理屈で誤摩化していると指摘。新犯人は別にいるとキッパリ言いきりました。
この事件は平成24年,他人のパソコンに遠隔操作プログラムを感染させ,無差別殺人や小学校への襲撃を予告。片山氏が逮捕される前には4人が誤認逮捕されるなど、片山氏以外に犯人がいれば同様の悪質事件も懸念されます。
留置所・拘置所生活、家族の面会も許されず
決定的な証拠がないまま片山氏は、1年1ケ月近くも留置所や拘置所生活を余儀なくされ、家族との面会も許されませんでした。この事件では、警察や検察の落ち度も目立ち、引くに引けない案件とも見えます。保釈金も1,000万円と高額な設定に、最後の手段で特別抗告に及んだのかもしれません。
誤認逮捕に始まり、プログラムのことをあちこちに感染させるウィルスと呼ぶなど警察のIT技術も露呈しました。片山氏以外にも数名の罪なき人が被害にあっていますが、警察や検察はどのようにフォローしていくのかこの先の裁判が注目されます。
[2014.3.13]
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