都心オフィス空室率、4年9ケ月ぶりの低水準!事業の効率化で相次ぐ企業の拠点集約
空室率:8ケ月連続改善、賃料は微増
オフィス仲介の三鬼商事は3月7日,2月末時点のオフィス市況を発表。東京都心5区(千代田、中央、港、新宿,渋谷)のオフィス空室率は、前月から0.17ポイント低下し7.01%と8ケ月連続改善。平成21年5月の6.96%以来、4年9ケ月ぶりの低水準となりました。
空室率の低下は,年度末を前に大手企業の本社機能の統合による移転が相次ぎ、大型物件の成約が寄与。都心5区の平均賃料も坪当たり1万6,250円と前月から微増であるものの0.05%上昇。2ケ月連続で上昇となりました。
震災を機に免震ビルへ、拠点も集約し効率アップ
大手企業などの移転は,本社や各部署、営業所など各々のオフィスが独立すると連携に時間がかかり業務の効率も低下。特に都心の場合,東日本大震災を機に、最新の免震構造ビルなどへ移転し従業員の安全を確保するとともに、支店やグループ企業など拠点を集約させ連携を強化。事業の効率を向上させるだけでなく経費削減できるメリットもあげられます。
昨年は、キリンホールディングスや住友スリーエム、ミスミグループが分散する各々の拠点を集約し、新たなオフィスで事業を開始しています。
大阪も11ケ月連続改善
一方,大阪ビジネス地区(梅田,南森町、淀屋橋・本町、船場、心斎橋・難波,新大阪地区)の2月末時点のオフィス平均空室率も、前月から0.13ポイント下がり9.45%。11ケ月連続改善しており,大規模ビル供給以前の水準まで改善しました。地区別では,梅田地区が9.21%と前月から0.19ポイント改善。他地区から借り換え移転が相次ぎ空室率を押し下げました。
名古屋ビシネス地区(名駅,伏見,栄、丸の内)でも前月から0.1ポイント下げ9.34%。4ケ月連続改善がみられます。
新築ビル、完成と同時に満室稼働
東京都心の新築ビルでは、完成時点で貸し出しがほぼ埋まるなど高い稼働率で開業。今年5月に完成予定の虎ノ門ヒルズは2月時点で8割の入居企業が内定。6月完成予定の日本生命大手町ビルでも満室の稼働を見込むなど、オフィスを効率的、戦略的に使うため移転する企業が目立ちます。
これまで賃料の高い上昇基調の続く新築ビルが全体を牽引してきましたが、景気回復によりオフィスニーズは拡大。既存ビルでも賃料が上向く傾向にあります。
[2014.3.12]
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