百貨店売上高前年超えは16年ぶり!高額商品、ニーズは富裕層、訪日外国人
高額品が牽引!前年比1.2%増
日本百貨店協会は1月17日、平成25年の全国百貨店売上高が前年比1.2%増の6兆2,171億円だったことを発表。16年ぶりに前年からプラスに転じました。アベノミクス効果により消費者心理が改善に向かい、百貨店が得意とする高額品が全体を牽引しました。
好調な美術・宝飾・貴金属部門は同14.8%増と伸びを見せたほか、アクササリーなど身の回りの品も同4.4%増。店舗数や売場面積は前年を下回ったものの、海外高級ブランド品や腕時計などがこれを補いました。
訪日外国人:デパ地下、清潔なトイレ、接客に感動!
昨年は、訪日外国人客数が1千万人を超え百貨店の免税カウンターでも外国人客で賑わいます。デパ地下やトイレの清潔さ、店員のおもてなしは外国人をうなずかせます。昨年の免税カウンターの売上高は調査対象43店舗で前年比91.6%増の384億円と約2倍に急伸しました。
昨年12月、43店舗での免税カウンター売上高は44億1,665万円と前年同月比218.2%増。一人当たりの購買単価は9万4,389円と同109.1%増え、客数、客単価でも売上高に貢献します。
百貨店免税カウンター:売上貢献度No.1は中国
訪日外国人が最も多いのは韓国で、台湾、中国と続きます。一方、百貨店の免税カウンター売上高では、中国、タイ、台湾の順と異なります。消費旺盛な中国からの訪日客は、尖閣諸島問題で激減しました。観光局の素早い対応で、タイや台湾などとのビザ緩和によってアジア諸国からの観光客を早期に倍増させることが、最も百貨店売上高に貢献することになるでしょう。
今年10月からは、免税品の対象製品が外国人に人気の化粧品や食料品などにも拡大される見通しで、売上げ増の呼び水となりそうです。少子高齢化が進み、所得格差が課題となるなか訪日外国人の日本での消費拡大が期待されます。
新たな収益に商業施設の設計・施工、内装事業
一方、大手百貨店では、これまでの経験を生かし商業施設などの設計や施工、内装と新たな事業に乗り出しています。高島屋では、高級ホテルや保育施設などのニーズを取込み、今年2月期には同事業の営業利益は前期比16%増の見通しです。丸井グループでは、ショッピングセンターなど受注を拡大し、本業の店舗運営を補う収入減に育てる方針です。
なんでも取扱う「百貨」から、消費者は豊富な情報源から百貨店で必要なものだけを求める時代。大手百貨店の統合・再編の次は新たなニーズの取組みにかかっています。
[2014.1.22]
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